01_軌道モータカー


この機械は主に人員、資材の運搬やそれらを載せたトロの牽引に使用される。

モータカーの歴史は古く、昭和初期には国産化されていたが、これは小馬力で乗車人員も3~4名と少ないものであった。
その後、貨物搭載も可能な「貨物型軌道モータカー(25ps)」が開発され、昭和30年代まで広く使用されていた。


△貨物型軌道モータカー

今日の始祖となったのは、昭和30年に富士重工によって開発されたTMC100である。
この機械は単車時最高速度50km/h、最大牽引重量100tの能力を有しており、国鉄によって「大型軌道モータカー」として正式に採用された。


△TMC100
北沢秀勝 『新しい 保線用重機械の紹介』, 新線路,10巻4号,鉄道現業社,(1956.4) より

以降、国鉄においてはTMC100、TMC200、TMC300、TMC400と発展した富士重工製の軌道モータカーが大半を占めていたが、民営化後は各事業者の意向やメーカーの新規参入・統廃合によって、その種類も多様化している。

なお冬季の除雪・排雪作業用にラッセル式除雪装置を装備したものは一般に「モータカーラッセル」や「排雪モータカー(排モ)」と呼称される。
この除雪装置は着脱や格納が可能となっており、夏季には一般の軌道モータカーと同様の運用が可能となっている。

現在では松山重車輌や新潟トランシスが主なメーカーである。

 

■構造


△JR東日本管内で主に使用されているTMC400B(代表)

・運転室
ここで運転操作を行う。1運転室の軌道モータカーが多いが、両側に運転室を備えた2運転室の軌道モータカーも存在する。

・機関室
エンジンやトランスミッションが納められている。

・自動連結器
軌道モータカー同士の重連や鉄道車両、大型のトロとの連結に使用する。

・ピンリンク式連結器
車体に付属する連結棒でトロと連結する。トロとの連結器はピンリンク式連結器を使用することが多い。

・車輪
踏切付近で長時間作業する際の踏切鳴動防止や、上り線を下り方向に走る(逆線走行)際の地上信号現示不具合防止のため左右のレール間で短絡しない絶縁車輪を用いる。
新幹線には踏切が無く、車上信号が主に用いられるためこの限りではない。

・転車台
方向転換に用いる。

・脱線復旧用アウトリガ
多くの保守用車は保安装置が無い状態で運用されるため分岐器の割り出し等で脱線の恐れがある。
万が一脱線した際に営業列車の運行を支障せず速やかに復旧を行うために脱線復旧用アウトリガを備える車種が多い。

 

参考文献
1)尾西定明 『大型軌道モータカーの構造と取扱』, 交友社, (1967)