TMC100F

概要


TMC100Bをベースとしてキャブを拡幅した機種。

TMC100シリーズで貨車を牽引するとき、車幅が狭いために運転台から後方の見通しが悪いという問題があった。このため、車体幅を貨車と同等に広げてキャブを大幅に拡大。運転台からの後方視界の改善を図った。キャブが拡幅されたことにより定員が増し、TMC100Bまでの3[人]から5[人]となった。また、側扉が開戸から引戸へ変更されるなどキャブ内を広く活用できるように改善されている。

基本的な諸元はTMC100Bと同様であるが、量産過程でさまざまな改良が加えられている。製造番号575から車輪絶縁方式が3輪絶縁方式となり、キャブ内に短絡SWと短絡表示灯が設けられ、走行中に絶縁/短絡の切替ができるようになった。
製造番号586以降ではサイドブレーキ装置の位置が副変速機出力軸へ変更され、前後進切替レバーが中立の際も制動できるように改善された。

また、途中で各所のネジがISOネジへと変更に変更された(車体関係:製造番号595以降、エンジン関係:製造番号612以降、いすゞ部品:製造番号637以降)。

製造番号614以降については電気関係も大きく変更されており、絶縁車輪の絶縁、短絡切替が各車輪の輪心・タイヤ間をSWにて切り替える方式となった。また、灯火類が増設され、黄色回転灯がキャブ屋根上に、制動灯が尾灯と一体になりキャブ上部に移設された。このときから制動灯がブレーキ操作にあわせて自動点滅する機構が設けられたことも特筆すべき事項である。

製造番号514~。
 
 
諸元


■ 寸法・重量

長さ 5,771[mm]
2,776[mm]
高さ 2,652[mm]
軌間 1,067[mm]
軸距 2,900[mm]
車輪径 660[mm]
自重 8.1[t]

 
■ エンジン

エンジン名称 いすゞ DA120P
エンジン形式 水冷4サイクル 6気筒
エンジン出力 89[PS]/220[rpm] ※

※ JIS規格の呼称変更により新表示では102[PS]

 
■ 動力伝達

クラッチ 乾燥単板式、油圧クラッチ
変速機 前進4段、後進1段
逆転機 前進1:後進0.84
駆動輪 前後2軸駆動

 
■ ブレーキ方式

主ブレーキ方式 空気ブレーキ
補助ブレーキ ネジ式手ブレーキ、センターブレーキ

 
■ 主要装置

転車装置・転車台 油圧昇降手押旋回
離線装置 離線車輪付手押
撒砂装置 全車輪前後方向切替
連結器 自動連結器
連結器高さ 880[mm]

 
■ 積載荷重・定員

荷台積載荷重 2.5[t]
運転室座席定員 3人

 
■ 空気・燃料容量

空気圧縮機形式 C400
元空気ダメ容量 140[L](70[L]×2)
燃料タンク容量 72[L]

 
■ 牽引性能

勾配 積載重量 牽引重量 単車積載時 重量牽引時
水平線 2.5[t] 100[t] 50[km/h]以上 45[km/h]以上
10‰ 2.5[t] 50[t] 45[km/h]以上 20[km/h]以上
25‰ 2.5[t] 40[t] 40[km/h]以上 10[km/h]以上

 
 
参考文献


1)松田務 『MC -一般型モーターカー見聞録-』, トワイライトゾ~ン マニュアル11, ネコ・パブリッシング, (2002)
2)尾西定明 『大型軌道モータカーの構造と取扱』, 交友社, (1967)