TMC500

概要


富士重工のTMC500系は、1975年より製造がはじまった急勾配線区・重負荷用の軌道モータカーである。
狭軌線用のTMC500系は、用途が特殊なためにあまり多く製造されていない。
製造番号はTMC501系の続番となっている。


1975年に登場した信越本線横川ー軽井沢間用の急勾配形モータカー。
265[PS]エンジンを搭載し、66.7[‰]勾配上で25[t]の牽引性能を誇る。急勾配形であるため、ブレーキ装置は空気ブレーキのほかに油圧式ねじ式ブレーキ、ドラムブレーキの3系統が用意されており、更に抑速用リターダブレーキを備える。
製造番号10のみ存在。


1977年に登場した、TMC500Aの一般急勾配区間用(35‰程度)。
動力性能はTMC500Aと同様だが、ブレーキ装置が簡素化された。照明強化のほか、救援用トロコイドポンプ、触媒マフラーの装備などがなされている。
JR東日本とJR九州に存在するほか、南海電鉄向けが1両存在する。


TMC500Aの増備機として、1985年に登場した機種。
少なくともJR東日本向けに2両が存在したことが確認されている。


1981年に登場した、TMC500Bの重連総括制御機能付き機種。
東京レールセンターにてレール運搬貨車の入換作業に用いられている2両のみ存在。
製造番号63、64のみ存在。


1976年に登場したTMC500系の貨車移動機版。
基本はTMC500AやTMC500Bと同様であるが、車端部に入換作業員用のステップを備えるなどの特徴がある。
小山駅高岳製作所専用線および宇都宮貨物ターミナル駅JT専用線に存在した。