03_投排雪保守用車

概要


ロータリー形態とラッセル形態へ切り替えることができる除雪装置を備えた保守用車である。
従来のロータリー除雪車は前位にロータリー除雪装置を、後位にラッセル除雪装置を備えており、降雪状況に応じて転車台を用いた方向転換や片道分の回送が必要であった。
投排雪保守用車は一つの除雪装置でロータリー/ラッセル除雪が可能なため、転車や回送が不要なだけでなく、途中で作業内容を切り替えることも可能である。

本機の除雪装置はラッセルとロータリーの形態変更が可能な他、ラッセル形態の中でも雪流れ方向の左右切り替えと、単線・複線の切り替えが可能となっている。
これにより上下線・順逆問わず多様な除雪が可能となった。

現在製造を行っているのはは新潟トランシスであるが、開発は前身の新潟鐵工時代から行われていたようで、DD14に当除雪装置を取付た姿や、試作機と思われる高性能除雪機械が確認されている。

 
メーカー


1990年代より除雪装置の開発に関与し、2001年度に高性能除雪機械の試作を行った。

新潟鐵工所による投排雪保守用車開発を引き継ぎ、2006年にENR-1000を登場させた。

 
参考文献


1) 稲本耕介・若月雅人・蔭山朝昭『高性能除雪機械の開発』,土木学会第57回年次学術講演会,57巻,(2002)
http://library.jsce.or.jp/jsce/open/00035/2002/57-4/57-4-0095.pdf

2) 魚地眞道・中川昌弥・稲本耕介『高性能除雪機械の開発』,土木学会第59回年次学術講演会,59巻,(2004)
http://library.jsce.or.jp/jsce/open/00035/2004/59-4/59-4-0013.pdf

3)佐々木茂聡・原田彰久『鉄道用除雪装置付保守用車の除雪翼の強度設計に関する一考察 』,土木学会第64回年次学術講演会,64巻,(2009)
http://library.jsce.or.jp/jsce/open/00035/2009/64-04/64-04-0278.pdf

4)JR東日本「雪に立ち向かう」
https://www.jreast.co.jp/akita/press/pdf/20160115-8.pdf

5)国鉄労働組合「業務連絡報 第954号 その2」
http://www.e-nru.com/100nrusaito/110gyomuho/g954.pdf

6)湯島のとも,(2017/12/17),DD14 8ラッセル・ロータリー併用ヘッド試験車。ウイングの開き方でロータリーとラッセルを兼用し、ENR1000開発の礎となった試験車だがこの時は浦佐の試験場に着いたら駆動系のトラブルで試験できず。後ろのオハフ50には試験用の関係者が載っていた。  #他の人が持っていないような写真を晒せ[Twitter post], Retrieved from https://twitter.com/Syas/status/945701476558454784