SW

架線延線車編成を構成する車両のひとつであり、SW(StretchWagon)と呼称される。銘板には『延線車』と表記されているように、架線の延線張り替え作業を行う車両である。
新幹線では高速運転のため、架線の部分張替が不可能であり、数km間をドラム単位で張り替える必要がある。
開業初期はこの作業を梯子や高所台を用いて行っていたが、安全面や効率面から機械化が望まれていた。

主用途はTWと編成を組んでのトロリ線張り替えとなるが、ちょう架線、補助ちょう架線の張り替えも可能である。

主要な装備として延線巻取機、引留装置、クレーン、接地パンタがある。

富士重SWも他の同社製電気作業車と同様、生産時期によって大きくスタイルが異なっている。


第一世代

昭和42年6月に半編成(SW1両、TW2両)が静岡に試作配備され、
2年がかりで訓練や工法研究を行った。
各部改良を行ったものが昭和44年6月に各電気所に配備された。

運転室を除いた車体上部全面に電動式の昇降作業台が備わっており、
同時にハンガ2本までの掛替作業が可能となっている。
連絡装置として、運転室と作業台間にはインターホンを、各車両の相互連絡用に単信式の無線電話を備える。

架線延線車編成は以下のように両端にSWを配置する。

パターン1:SW-TW-TW-TW-TW-SW
パターン2:SW-TW-RW-RW-CW-SW
※CWは固定作業台を取り付けて使用する。


第二世代

平成4年よりJR東に導入されたモデル。のちにJR西もほぼ同型を採用した。
当時の富士重工カタログによると型式は『SW-1』となっている。
(これはTWも同様にTW-1となっている。)
車両前部に高運転台、後部には休憩室を備える。
このモデルでは重連統括制御を採用し、一人でも編成運転が可能となっている。
※従来は各車にオペレータを配置し、無線等で連絡を取りながら同調運転を行っていた。

引留装置の高機能化により、延線時の伸び量計測や一定張力の保持が可能となった。
また作業台備付の有線式リモコンを用いての運転も可能となり、作業性が向上した。
通常の運転台もツーハンドル式となっており、運転・装置制御の電子化が進んだと思われる。

加えて車両前後端には衝突防止センサが備わっており、編成分割作業時の安全性を高めている。

作業時の編成は第一世代同様のSW2両とTW4両のほかに
一部のTWをMMWやMTWで置換したパターンが存在している。

加えて塗装色も従来保線機械の黄色一色から、JR東はピーコックグリーン主体、JR西はスカイブルーおよびシルバー主体の配色となった。


参考文献
1.日本国有鉄道新幹線総局『新幹線ハンドブック』財団法人 交通文化振興財団,1977年,p.188
2.新幹線総局『新幹線十年史』財団法人 交通文化振興財団,1975年,p.624
3.藤橋芳弘「カテナリ・メンテナンス①」『鉄道ファン』11月号,交友社,1992年,p.62-65
4.富士重工カタログ<新型>電気作業用軌道モータカー(延線車)