架線の張替や点検に用いる架線作業車である。
運転室上部に油圧モーターを用いたネジ式の昇降作業台が搭載されている。
昇降作業台には左右にそれぞれ張り出すことができる張出台と接地パンタグラフが装備されている。
架線作業時等の際にHSTを用いた0~5[km/h]の低定速走行が可能である。
諸元
全長:7300[mm]
全高:4084[mm]
全幅:2782[mm]
重量:16.0[t] ※取扱説明書では15[t]
軌間:1435[mm]
軸距:3500[mm]
エンジン
いすゞ自動車 BB-6BG1TRJ(121.6[kw]/2200[rpm])(ターボチャージャー付)
総排気量:6494[cc]
最大トルク:524[Nm]/1800[rpm]
変速機
トランスミッション:日立ニコトランスミッション TDCN-22-1054
トルクコンバーター:日立ニコトランスミッション 8-1500(Ms330)
3要素1段形2相形(ステータフリーホイール、エンジンブレーキ用フリーホイール付)
ストールトルク比:3.0
変速機:平歯車常時噛合方式 正転・逆転等速2段
減速比:1速 2.531 2速 0.982
作動方式:油圧操作による湿式多板クラッチ方式
切換方式:電磁弁(DC24[V])手動操作装置付
終減速機:かさ歯車による一段減速機構(減速比:4.875)
主ブレーキ
足踏み式ディスクブレーキ
足踏み式ブレーキバルブの操作量に応じた空気圧力がエアーブースターに作用し、油圧を介して4輪のブレーキキャリパに作用する。
動作圧力は0~0.3[MPa]。
補助ブレーキ
勾配ブレーキ
勾配区間で停止する際に使用する。4輪全てのディスクブレーキが作用する。
フェールセーフ型駐車ブレーキ
短時間駐車、転動防止に使用する。バネチャンバにより制動させるもので元溜圧低下時及びスターターキーOFF時には自動的に制動する。
油圧装置
油圧ポンプ:ダイキン PV055-649ED
油圧モータ:ダイキン 9431110
昇降作業台:床面積 1700[mm]x58000[mm] 業床高さ:3145[mm]からストローク1200[mm]
張出台:ストローク1000[mm]
排気切替装置
DPF(黒煙浄化装置)の排気ガスを1-3位側又は2-4位側へ排出するために排気ブレーキユニットを切り替える。
走行性能
勾配 牽引荷重 単車速度 牽引速度
00[‰] 5[t] 50[km/h] 40[km/h]
30[‰] 15[t] 40[km/h] 15[km/h]
参考文献
1) 松山重車輌工業「架線作業車 MS0217型」
http://www.mjk21.co.jp/seihin/pdf/sagyosha/CAT-MS0217.pdf
2) 草野産業 松山重車輌工業「(西神・山手線)架線作業車 取扱説明書」(2008.3)
3) 松山重車輌工業「MS0217A0000A 架線作業車(2-4位)」(2008.2)
4) 松山重車輌工業「MS0217A0300A 駆動装置」(2007.12)