MTT-20

(写真:MTT-18A。湯本(1967)p50より引用)


■概要
昭和42(1967)年にMTT-20Aが321)または332)両製作されている。
タンピングツールの形状が従来通りの板形に加えて、重マルと同様の棒形が用意されており、使用状況によって選択できる様になった3)
転車台も手動式ながら初めて搭載されている4)。絶縁車輪もガラス繊維による3輪絶縁構造となった。

諸元を下記に示す。

MTT-20A
全長×全幅×全高 7.2m×2.7m×2.8m
総重量 約19,000kg
原動機 型式 いすゞDA120P
ディーゼル
定格出力 76.5ps/1,800rpm
発電機 30KVA-3φ-220V
-60hz-1,800rpm
油圧装置 油圧ポンプ タンピング用1台:105kg/cm2
走行用1台:105kg/cm2
油圧モーター 走行用1台:105kg/cm2
タンピング
装置
起振用
電動機
1500W-3φ-200V
-60c/s-400rpm
ツール数 16本
1枕木
タンピング時間
板形ツール:10~15秒
棒形ツール:5~8秒
1時間あたり
タンピング軌道延長
板形ツール:150~200m
棒形ツール:200~400m
走行装置 エンジン駆動 平坦50km/h,25‰時26km/h
枕木間の
移動
油圧モータ駆動 1~2秒
走行性能 6.9~45km/h 35/1000

湯本(1967)p50より引用

■参考文献
1)石原一比古『電マルの生いたち』,新線路,32巻4号,(1978,4)
2)杉下孝治『マルタイの変遷』,新線路,35巻9号(1981.9)
3)湯本幸丸『写真解説 保線用機械』,交友社,(1967)

■脚注
1)杉下(1981.9)
2)株式会社芝浦製作所『50年のあゆみ』,(1989)p65 図表3-4
3)ツール自体の交換により板形/棒形の使い分けを可能としているものと思われるが詳細不明。
4)金谷多与吉『電気マルタイ(20A)の使用について』,第22回保線講演会記録(1969)は青函局八雲保線区に配備された本機種の使用報告であるが、記事中で金谷は本機種の手動転車台について油圧による自動式への改良を提案している。金谷の指摘通り、次世代機であるMTT-21からは油圧式自動転車台が装備されるようになった。