(写真:MTT-61。芝浦製作所『芝浦マルチプルタイタンパ MTT-61MAKT-10W』 カタログより)
概要
M61は、M51と同時に1981年に開発された中型の重マルである。機構的にはM51と同一であるが、運転台が後位側にしかなく、車体も小型になっている。
エンジンは直噴式ディーゼルエンジンのいすゞ6QA1-S(147[PS]/1,800[rpm])を1基搭載。走行伝達装置にはトルクコンバータを用いている。
台車は前後ともに2軸ボギー台車を用いており、軸距は1,500[mm]、車輪径はΦ660[mm]である。
タンピング装置、レベリング装置、ライニング装置の機構はそれぞれM51と共通である。
国鉄においてM61は電マルの取替用として導入されたようであり、おもに地方線区で使用された。私鉄向けには富山地方鉄道に導入されたものが知られている。
諸元
■ 寸法・重量
長さ(回送時) | 15,000[mm] |
幅 | 2,800[mm] |
高さ | 3,400[mm] |
軌間 | 1,067[mm] |
軸距 | 1,500[mm] |
車輪径 | 660[mm] |
自重 | 35[t] |
■ エンジン
エンジン名称 | いすゞ6QA1-S |
エンジン形式 | 水冷4サイクル(過給機付) |
エンジン出力 | 147[PS]/1,800[rpm] |
■ 性能
作業速度 | 300-350[m/h] |
回送速度 | 65[km/h] |
レール持上げ力 | 15[t] |
レール横押力 | 14.7[t] |
最小作業曲線半径 | 160[m] |
最小作業縦曲線半径 | 2,000[m] |
最大作業勾配 | 35[‰] |
参考文献
1)宮下邦彦『国産重マルの開発』, 新線路, 37巻, 4号, 鉄道現業社, (1983年4月)
2)宮下邦彦『国産重マルの開発』, 鉄道線路, 31巻, 6号, 日本鉄道施設協会, (1983年6月)