PV6


■概要
セミ・センター・キャプの車体を持つ小型軌道検測車。
それまで広く使用されてきた吉池式軌道検測車は被牽引式で検測速度も15[km/h]と低速であったが、PV6では60[km/h]での自走・30[km/h]での検測走行が可能となり、国鉄が山陽新幹線建設工事時に導入した他、下記に示す私鉄などに広く導入が確認されている。
・近鉄(標準軌仕様2両・狭軌仕様1両)
・阪急
・西武

軌道検測では吉池式軌道検測車など軸重が極めて軽い車両による静的検測と、マヤ車などの営業車と同等の軸重を持つ車両による動的検測がある。
静的検測は軸重による変位が検出できない欠点が、動的検測はマクラギからレールが浮いていても軸重で押さえつけられるため検出できないという欠点があるが、PV6では測定専用で軸重の軽いA・C・E軸と走行/測定兼用のB・D軸を使用することで静的・動的両方の検測を行うことができ、結果を比較することで浮きマクラギを検出することが可能である。


△PV6の軸配置 田中五十大『軌道検測車PV-6』,鉄道線路,22巻,3号,日本鉄道施設協会,(1974.3)より

測定車輪は車体前後及び車体下部中央に折り畳まれており、測定時は展開して使用する。

 

■ 諸元

寸法・重量

長さ(検測車輪格納・連結面間) 6,700[mm]
長さ(検測時) 10,700[mm]
2,480[mm]
高さ 2,950[mm]
軌間 1,067/1,435[mm]
車輪径 750[mm]
自重 10.0[t]

 

■エンジン
Duetz F6L912(96[PS]/2500[rpm])/ガソリンエンジン(110[PS])

 

■ 走行性能

勾配 単車回送時 単車検測時
水平線 60[km/h] 30[km/h]

 

■検測方式
正矢法(5[m]:5[m])

 

参考文献

1)NegevSol「Matisa PV6」
http://negevsol.com/?page_id=138
2)大嶽友男・川嶋弘治『阪急電鉄における保線作業の機械化』,鉄道線路,16巻,8号,日本鉄道施設協会,(1968.8)
3)大沢白水・本多三郎『西武鉄道における保線作業の機械化』,鉄道線路,17巻,8号,日本鉄道施設協会,(1969.8)
4)田中五十大『軌道検測車PV-6』,鉄道線路,22巻,3号,日本鉄道施設協会,(1974.3)