NTB-17


■概要
軌間内散布が可能なバラスト散布用の9[m3]ホッパ車で平成26(2014)年に開発された。

軌間内散布が可能なホッパ車は以前より存在していたが、軌間内散布時に蓋の開きすぎ等でバラストが出過ぎてホッパ車がバラストを抱えて動けなくなるリスクがあった。そのためJR東日本管内ではホッパ車による軌間内散布はあまり実施されてこなかった。しかし、バラストの掻き込み作業は非常に労力を要するため軌間内への直接散布を求める声が大きくなっていた。その声に応える形で開発されたのが当型式である。

軌間内(軌道中心より650[mm]以内)への散布量は独立して動作する長さ2.5[m]、外径400[mm]、ピッチ500[mm]のスクリューコンベアにより制御される。動力は搭載した発動発電機で油圧を発生させ油圧モーターの回転を弾性継手を介してスクリューに直接伝達する。バラスト散布量は操作パネルで3段階(大・中・小)で設定可能である。
作業走行速度(0.5~10[km/h])の範囲内で速度の加減速に関わらず一定量の散布ができるよう走行速度と散布量を同調させる速度同調機能を備えている。

軌間外(軌道中心より1,000[mm]以上外方)への散布量は既存のホッパ車と同様、蓋の開閉量により制御する。

 

■主要諸元

項目 寸法・性能
全長 11,500[mm]以下(自動連結器含む)
全幅 2,400[mm]以下
全高 2,300[mm]以下(操作モニター含む)
自重 17,000[kg]
エンジン 3気筒立形直列水冷4サイクルディーゼル機関
定格出力 18.0[kW]/2,800[min-1]
油圧ポンプ設定圧力 21.0[MPa](流量0~140[L/min])

参考文献
1)佐々木亨・佐竹宣章『軌間内散布可能なミニホキの開発』,日本鉄道施設協会誌,2014年12月号,日本鉄道施設協会,(2014.12)
2)森政明『JR東日本における最近の保線機械の状況』,日本鉄道施設協会誌,2014年11月号,日本鉄道施設協会,(2014.11)