STM

写真:第一建設工業のSTM。ロゴはTamper時代のものである。

 


 

STMはTamper(後にFairmont Tamperとなり、現在はHarsco Rail)製のマルチプルタイタンパーである。

 

■概要

形式名はSmall Tamping Machineの頭文字から取られている1)。その名の通り小形のマルタイで、2軸車体の前方に1丁づき16本のタンピングユニットを有する。振動は各ツールに取り付けられた油圧モーター8個にて発生させる。油圧モーターを使用しているが、構造は日本で一般的に「電気式」と呼ばれるものとほぼ同じである。またマルタイとしては珍しく転車装置を装備している。

STMは1990年代には既に製造されていたが、外観やシステム等に改良を加えた上で、現在もHarsco Railから引き続き発売されている2)

 

■運用

レンタルのニッケンによるSTMの広告。
レンタルのニッケン「スイッチマルタイ新登場」『新線路』47巻2号,1993年,広告p.

日本では1990年代に、当時アメリカからの機械輸入に注力していたレンタルのニッケンによって輸入された事例がある3)STM-XLCと呼ばれる機種が山形新幹線(福島~山形間)の建設工事に導入され、のちに秋田新幹線や山形新幹線(新庄延伸)の工事でも延べ3両が使用された4)。また東北新幹線での保線作業にも使用された記録がある5)。これら新幹線での使用者は第一建設工業と仙建工業であった。

 

三田線で撮影されたSTM。車体のロゴがFairmont Tamperのロゴになっている。

また東京都交通局では、三田線でFairmont Tamper時代に販売されたと思われる個体が存在していた。

 

諸元

以下はレンタルのニッケンが取り扱った機種の諸元である6)

全長 7432[mm]
全幅 3200[mm]
全高 2920[mm]
自重 14.5[t]
作業能力 230[m/h]
タンピングツール 1丁づき16本
エンジン カミンズ 6BTA5.9 140[PS]/1600[rpm]

 

■文献

1)Harsco Rail「STM Utility/Spot Tamper 」https://harscorail.com/equipment/surfacing/stm-utility-spot-tamper/(2026年2月5日取得).

2)Harsco Rail,前掲1.

3)レンタルのニッケン社史編集室編『レンタルのニッケン30年史』,1997年,レンタルのニッケン.

4)田口 禎昭「ビッグワンダー改軌における付帯作業の省力化」『新線路』54巻10号,2000年,pp.14-17.

5)服部 正巳「新幹線における低弾性まくらぎ敷設の一考察」『新線路』50巻9号,1996年,pp.37-41.

6)