BRC-1B(BRC-101B)

△アイキャッチ画像は許可を得て片山吉信様所蔵写真を掲載しています。


■概要
昭和49(1974)年度の技術課題に基づき製作されたバラストレギュレータである。
新幹線におけるマルタイ作業後の道床整理を機械化し、少人数で行うための機械として製作された。

車両前部にフロントプラウ、車両側面にサイドプラウ、車両後部にスイーパーユニットを備えたバラストレギュレータである。

△スイーパーブラシ交換中のBRC-1B。画面右からスイーパーブラシ、サイドプラウ、フロントプラウが見える。片山吉信様の許可を得て掲載

アイキャッチ画像は後位側から見たものである。

新幹線向けは山陽新幹線建設用に納入されたもので岡山及び神戸に最終的に3,4台程度1)が納入された。昭和51(1976)年3月までに2台2)が新幹線向けに納入されている。
新幹線向けは芝浦製作所の型式の命名規約から型式BRC-1B3)ではなくBRC-101Bである可能性もある。

新幹線向けだけではなく在来線仕様も設定として存在したが、現場に投入された実機の存在は資料上も含めて確認できていない4)

なお、昭和53(1978)年時点での諸元では昭和51(1976)年時点の諸元と比較して全長が1.1[m]伸び重量が1.5[t]重くなるなど5)この2年で大きな変更が加えられたことがわかる。
変更の詳細については不明であるが、昭和50(1975)年度の技術課題でバラストから発生する粉塵防止のため散水装置の装着が要因の一つとして考えられる6)

脚注
1)片山吉信様の談話による。
2)文献3 p.84 別表『主要保線用機械総局・管理局別数量表』による。
3)片山吉信様の談話による。
4)文献3 p.69、 p.84 別表『主要保線用機械総局・管理局別数量表』及び文献4)p.6 表-1。バラスト処理機に新幹線用のS形とは別に在来線向けのN形の設定がある。昭和48(1973)年時点では国鉄にレギュレータが7台あり昭和51(1976)年時点では新幹線向けは2台増えたが在来線向けは7台のままである。
5)文献3) p.69と文献5) P.108との比較。標準軌モデル同士の比較で全長は8.5[m]から9.6[m]、重量は21,000[kg]から22,500[kg]と差があることがわかる。
6)文献6 p.8

参考文献
1)片山吉信様の談話による。
2)酒井哲夫『保線関係の技術課題』,新線路,第28巻7号,鉄道現業社,(1974.07)
3)石原一比古『保線機械のデータブック(主要諸元表)』,鉄道線路,第24巻10号,日本鉄道施設協会,(1976.10)
4)上田隆三・伊藤宏・石原一比古『昭和48年度技術課題の成果』,鉄道線路,第22巻10号,日本鉄道施設協会,(1974.10)
5)『保線機械便覧』,日本鉄道施設協会,(1978.11)
6)石原一比古『大型保線機械の歴史・開発とその経過』,鉄道線路,第24巻10号,日本鉄道施設協会,(1976.10)