■概要
ミリング車とグライディング車の2両を1ユニットとして構成される。
ミリング車で粗削りを行い、グライディング車でミリング削正後の凹凸を滑らかにする仕上げを行うため、ミリング車側を先頭に作業を行う。
駆動方式は油圧駆動で回送時はグライディング車、作業時はミリング車の油圧モータを使用し走行する。
削正時は0.5km/h~1.0km/h程度での施工が可能となっている。
■ミリング車
ドイツのシュベアバウインターナショナル社製のミリング削正装置を搭載している。
1パスで0.3mm~2.0mmまで削正が可能である。
ミリングチップのサイズは13mm×13mm×7mmで、1ホイール当たりに576個取り付けられており、
Nレールの形状となるように配置されている。
削正後の切り屑はバキューム装置によってグライディング車のコンテナ室に運搬され、保守基地などで圧縮空気によって車外のドラム缶などに排出できる構造となっている。
△ミリング削正装置 文献1)より
■グライディング車
ローベル社製のグライディング削正装置を搭載している。
グライディング車は砥石をレールの長手方向に摺動させ、レール踏面を研磨する。
砥石は乾式研磨用のものを使用しており、火花が発生しないため散水は行われない。
△グライディング装置 文献1)より
■検測装置
削正後の仕上がり検測用にRMF(長手方向レール形状測定システム)と
RGMS(レール断面形状測定システム)の2種類の検測装置を搭載し、
検測部はグライディング車後位側に設置されている。
△検測装置 文献1)より
諸元
■寸法・重量(ミリング車)
長さ | 15,700[mm] |
高さ | 4,000[mm] |
全幅 | 3,000[mm] |
軌間 | 1,067[mm] |
自重 | 53.7[t] |
■寸法・重量(グライディング車)
長さ | 15,700[mm] |
最大高さ | 4,000[mm] |
最大幅 | 3,000[mm] |
軌間 | 1,067[mm] |
自重 | 55.0[t] |
参考文献
1)松尾善紀、佐々木佑旭、峯田雅人、柵木直人『ミリング式レール削正車の導入』,新線路,76巻7号,鉄道現業社,(2022.7)