■概要
大型の箱型車体に線路設備の状態をモニタリングする装置(分岐器モニタリング装置、軌道材料モニタリング装置、点群データ取得装置)を備えた線路設備モニタリング車。
線路設備モニタリング車MS0247の量産型式と推定される。
JR東日本では新幹線線路設備モニタリング車、愛称「SMART-Red」と呼称されており、塗色はこまち号をイメージした赤色が採用されている。
■運用
JR東日本管内に4両(東北2両・首都圏1両・上信越1両)が配備され、新幹線全線を1回/月の頻度で検測を行う計画である。
また、探傷車であるMS0255と併結して検測を行うことで効率化を図っている。
■モニタリング装置
分岐器モニタリング装置、軌道材料モニタリング装置、点群データ取得装置において下表の項目の測定を行うことで、従来日中に徒歩で実施していた線路総合巡視を置き換え廃止することとした。
| 測定項目 | 装置 | 関係する検査 |
| 締結装置の脱落
締結装置の緩み 軌道パッドの飛び出し(直8) |
軌道材料
モニタリング装置 |
スラブ検査
マクラギ検査(一般) 弾性マクラギ直結軌道検査 |
| レール踏面状態(シェリング等) | 軌道材料
モニタリング装置 |
レール検査
（損傷）[定期]目視 |
| IJ不良(頭面フロー、開口)
IJ不良(ボルト脱落) |
軌道材料
モニタリング装置 |
レール検査
(接着絶縁) |
| 下部限界の支障 | 軌道材料
モニタリング装置 |
– |
| EJストローク
照り面重なり長 |
軌道材料
モニタリング装置 |
伸縮継目検査[定期]
ロングレール検査 |
| ロング移動量 | 軌道材料
モニタリング装置 |
ロングレール検査 |
| 分岐器トング食い違い | 軌道材料
モニタリング装置 |
分岐器機能検査 |
| 分岐器のバックゲージ
フランジウェイ幅 |
分岐器
モニタリング装置 |
分岐器機能検査 |
| 分岐器レールの摩耗 | 分岐器
モニタリング装置 |
分岐器一般検査 |
| 軌道変位 | 分岐器
モニタリング装置 |
軌道変位検査
分岐器軌道変位検査 |
| 軌道中心間隔 | 点群データ取得装置 | 軌道中心間隔調査 |
参考文献
1)東日本旅客鉄道『新幹線における「スマートメンテナンス」の開始について』,(2024.12.11閲覧)
https://www.jreast.co.jp/press/2022/20221213_ho2.pdf
2)黒田進司・須藤雅人・浮田大介・江尾総人『新幹線設備管理の業務変革-スマートメンテナンスの開始-』,新線路,78巻,12号,鉄道現業社,(2024.12)
3)井上孝司・仲居裕一『これからの線路設備保守とは スマートメンテナンスを紐解く』,新幹線EX,74号,イカロス出版,(2025.3)