CLIC-Zは電磁波を用いて覆工内部の空洞・ジャンカ等を検知することで在来線トンネルの打音検査を代替することを目標として開発されたトンネル覆工検査車である。
Concrete Lining Inspection Car の頭文字を取り CLIC(クリック)と呼ばれている。
概要
JR東日本では2004年に新幹線向けにマルチパスリニアアレイレーダ(MPAレーダ)を用いてトンネル覆工を検査するCLIC(TMW-E)が導入されておりこれをもとに開発が行われた。
JR東日本の在来線に存在する1071本、総延長約580kmのトンネル特別全般検査を規定の期間(20年)以内に行うには新幹線用CLICの二倍に当たる7.0[km/h]以上の測定速度が必要と考えられた。
トンネル覆工の内部を検査するためには電磁波を発射するMPAレーダをトンネル覆工内面と接近させる必要がある。
トンネル覆工に存在する様々な障害物とレーダが接触した場合でも必要以上の離隔が生じないように、スムーズに障害物を乗り越えられなければならない。
想定される5cmまでの障害物を乗り越えられるよう、MPAレーダ前部に備えられ障害物と直接接触するソリ先端形状の改良された。
また、トンネル覆工への追従性を向上させるため、MPAレーダーの支持に新幹線用CLICで採用された並行リンク式と異なり、リニアガイド式を採用した。

在来線の各所に存在する踏切などから機動的に計測の対象となるトンネルへ搬出入できることから軌陸車として2013年4月に導入された。
軌道走行用の鉄輪は定低速走行ができる油圧駆動とし、軌道上最高時速は回送時30[km/h]、計測時7.0[km/h]である。

参考文献
1)菅藤太郎・浅田章一『在来線用トンネル覆工検査車の開発と導入』地下空間シンポジウム論文・報告集,第20巻,土木学会
http://library.jsce.or.jp/jsce/open/00542/2015/20-0177.pdf
2)浅田章一・鈴木尊『在来線トンネル覆工検査車の開発と導入』日本鉄道施設協会誌,第52巻02号,日本鉄道施設協会,(2014.02)


