■概要
富山地方鉄道は富山市に本社を置く鉄道会社で本線/立山線/不二越・上滝線の93.2[km]の鉄道線及び15.2[km]の軌道線を運行している1)。
■保守用車の特徴
富山地方鉄道の機械化は昭和32(1957)年にタイタンパを導入したのを皮切りに始まった。昭和50年代までの主要なものとしては昭和36(1961)年にホキ車1両、昭和37(1962)年にTMC100BS1両、昭和39(1964)年に除草薬散布車、昭和40(1965)年にTMC100BS2両、昭和44(1969)年にロータリー1両、昭和48(1973)年MTT-70A1両、昭和49(1974)年ロータリー1両、昭和50(1975)年コンクリートマクラギ運搬車2両、昭和58(1983)年にMTT-611両といったところが挙げられる(詳細は不明であるが過去スイーパーも保有していた)2)。
基本的には豪雪地帯であるため除雪用車両が主であるが除雪装置を持たないTMC200系の軌道モータカーや堀川工機製のものも保有履歴がある。かつてはマクラギ更換車KHR-106系列も保有していたが、足場が組まれており高所作業用途で使われていたものと思われる。
■車種別一覧
軌道モータカー
除雪用モータカーで今なおTMC100BSが現役で見られるのが特徴である。
軌道線用の保守用車はないが、軌道線用の車両を日中TMC100BSやTMC200Cが牽引している姿が見られる。

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軌道モータカーロータリー
元々は本線桜井-宇奈月間及び立山線岩峅寺-立山間用に投入された3)。元々は1両だったが順次両数を増やし3両体制となった。
現在ではMCR-4Aを双頭ラッセルに改造したものも確認されている。
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マルチプルタイタンパー
過去芝浦製作所製のMTT-70Aや大形のMTT-61の保有履歴がある。現在ではマルタイは保有していない。
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マクラギ交換車
熊谷組のKHR-106と思われるマクラギ交換車を保有していた。
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軌陸除雪車
元富山ライトレール所属のKBR102が最近転籍してきたのが確認されている。
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注釈
1)文献1)および文献2)
2)文献3)p.38『3)機械化の実績と計画』及び文献4)p.30『表-3 要員削減の推移』による。なお、ロータリーは文献4)の時点(1986年)で3台体制とあるのでこの年までに1両が増備されていることになる。
文献3)p.37『図-2現業組織図』にはスイーパー1台とある。
3)文献4)p.29『図-2富山地方鉄道鉄道線支区別担当範囲』による。
参考文献
1)富山地方鉄道株式会社『会社概要』
https://www.chitetsu.co.jp/?page_id=712
(2025.04.07閲覧)
2)富山地方鉄道株式会社『鉄道』
https://www.chitetsu.co.jp/?page_id=654
(2025.04.07閲覧)
3)伊東慶喜『富山地方鉄道の保線』,鉄道線路,第26巻11号,日本鉄道施設協会,(1978.11)
4)宮本潔『富山地方鉄道に聞く 代表取締役社長・緒方裕氏 取締役技術部長・中堀泰二郎氏 鉄道部長・坪川俊雄氏』,新線路,第40巻10号,鉄道現業社,(1986.11)