阿武隈急行の保守用車


■概要
阿武隈急行は東北本線福島駅から梁川・丸森を経て東北本線槻木駅に至る全長55.1[km]の阿武隈急行線を運営する鉄道会社である。
丸森~槻木駅間で運行していた国鉄丸森線を引き継ぎ先行開業したのちに、未成線となっていた福島~丸森駅間を日本鉄道建設公団により完成させ全線開業した。
2011年の東日本大震災、2019年の東日本台風、2022年の福島県沖地震により大きな被害を受けているがいずれも復旧が完了している。

 

■保守拠点

キロ程 箇所 設備
4k650m 矢野目信号所 横取線
12k990m 保原駅 横取線
18k430m 梁川車両基地 保守基地 砕石積込設備
29k520m あぶくま駅 横取線 軌陸車搬入路
37k640m 丸森駅 横取線 砕石積込設備
43k420m 角田駅 直交式横取車庫
47k890m 岡駅 横取線

 

■土木・軌道所有保守用車

・軌道モータカー


国鉄から継承されたと推定される作業用モータカーで、角田駅北側の線路直交型横取車庫に収容されているのが2024年1月に発見された。²エンジンが掛からないため不動状態である他、搬出経路も無いため今後の扱いは未定である。¹

 



国鉄もしくはJRから移籍したと推定される軌道モータカーで、機械番号銘板の鉄道管理局コードより元々は盛岡鉄道管理局配備であったことが確認できる。TMC400Aの導入に伴い引退済である。

 



JR東日本から仙建工業、仙建工業から阿武隈急行に移籍した軌道モータカーで、機械番号銘板の鉄道管理局コードより元々は千葉鉄道管理局配備であったことが確認できる。

 

・マルチプルタイタンパー



JR東日本から仙建工業、仙建工業から阿武隈急行に移籍したマルチプルタイタンパーである。
引退済である。

 



仙建工業から阿武隈急行に移籍したマルチプルタイタンパーである。

 

・トロ
下記以外に平トロが1両、レール運搬トロが3両いる。¹


 


 

・軌道自転車
協栄製作所製のレールスクーターを2両所有している。



 

■電気・信通所有



日本鉄道建設公団から移籍した軌道モータカーで、分岐器・踏切の保守・交換作業に用いるクレーン付軌道モータカーとして活躍したが引退済である。¹

 



TMC200Bの後継として導入されたクレーン付軌道モータカーである。
同社としては異色の解体業者の紹介による東京メトロからの移籍である。¹

 



JR東日本 白石メンテナンスセンターから移籍した軌陸高所作業車である。
移籍した時点で車検が切れており、公道を走行することができないためオンレールのみでの運用だった。¹
2017年時点での存在が確認されているが、既に引退済である。

 



JR東日本 白石メンテナンスセンターから移籍したブーム式軌陸高所作業車である。¹

 

・その他
同社が保線作業を外注している仙建工業がレンタルした東進産業製 バラストスイーパ KBS-1Aの入線実績がある。


 

参考文献
1)遠藤稔『阿武隈急行線の展望』,日本鉄道施設協会協会誌,25巻,10号,日本鉄道施設協会協会,(1987.9)

 

脚注
1)2024/11/16開催 あぶきゅうフェスティバルでの聞き取り調査による
2)阿武隈急行@公式(@abukyu_sns),2024/1/11,謎の機体が出てきました🤨 軌道モーターカーとは記載がありましたが….. 私が知る機体とは大きさがだいぶ小さめ ちなみにオイルは綺麗に抜いてあるとのこと このロゴどこかで….みたような こいつ………動くのかな???? それでは担当のウールでした👋 #阿武隈急行,https://x.com/abukyu_sns/status/1745318272306921660