△印旛車両基地に留置されていたGEISMAR製マルタイ(@akaden3150殿撮影)
■概要
北総鉄道は京成電鉄本線と接続する京成高砂駅から成田高速鉄道アクセス線と接続する印旛日本医大駅までの区間を営業する鉄道会社である。鉄道施設を保有するのは京成高砂から小室間で、その先の小室から印旛日本医大間は千葉ニュータウン鉄道が保有する区間となる1)。
営業列車では京成電鉄とその先の区間の東京都交通局(都営浅草線)、京急電鉄の車両が日常的に乗り入れているが保守用車においても京成電鉄、京急電鉄保有の車両が乗り入れを行うことがある2)。
■保守用車の特徴
保守用車は自社でも保有しているが、一部は京急電鉄から譲渡された個体も含まれている。開業当初は堀川工機製のモータカー及びトロも存在したが現在所属する保守用車の多くは松山重車輌工業製である。かつてPlasser&Theurer製が導入される前には国内では極めて珍しいガイスマー(GEISMAR)製のマルチプルタイタンパが在籍していた2)。
■車種別一覧
軌道モータカー
開業当時は堀川工機製のWD-H10CAが在籍していて6)、松山重車輌工業製の15[t]級モータカーに置き換わった。

現在は20[t]級及び24[t]級の2両が稼働している。
現在2両に付与されている機械番号は「1号車」及び「2号車」であるが、付与は2017年度からとなっている3)。
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マルチプルタイタンパ
1990年代中頃にガイスマー社製の小型マルタイが導入され、2007(平成19)年にPlasser&Theurer製の08-16導入まで使用された。以後は08-16が使用されている。なお、この08-16は自社保有ではなく三菱UFJリースからのリース機である4)。
08-16検査時には京成電鉄保有機により作業が行われる5)。
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レール削正車
自社ではレール削正車を保有していないが、日本スペノ及び京急電鉄保有のスペノ社製レール削正車による作業が実施された実績がある2)。
検測車
自社所有の検測車はないが、京成電鉄所有のEM30による検測が行われている5)。
トロ
保線機器整備製の軽便トロを保有する以外は松山重車輌工業製のラインナップとなっている。
当DBのDBへは2024年9月現在未投稿であるが、松山重車輌工業製の三転ダンプトロ及び制御室付きの二転ダンプトロを保有している2)。これらダンプトロは開業当初に投入された堀川工機製のDT-6Aを置き換えたものと考えられる6)。またかつては高萩製作所製のトロも保有していた2)。
25t積桁運搬車
あまり聞き慣れない名称を持つトロであるが、元々は京急電鉄が京急蒲田駅付近連続立体交差事業のために導入した車両である。事業完了後北総鉄道が購入した。レールの運搬作業に用いられている5)。
作業用トロリー
3.0tonトロリー
脚注
1)文献4)。
2)文献1)。
3)文献5)本文より。
4)文献6)中の画像より。社名変更前のダイヤモンドリース時代からのリース機である。
5)文献2)。
6)文献7)。巻末に記載の「主な納入実績(国内)」に機種名・両数の記載がある。
参考文献
1)高砂第一工廠『北総線における保守用車の一覧』
https://akaden.org/doc/engr/track/maintenance-car.html
(2024.09.17閲覧)
2)西白井保守用基地内の見学および鉄道技術員体験イベント(2022.05.14開催)時に聞くことができた情報による
3)X GARA(@GARA_2038)
https://x.com/GARA_2038/status/1195524166415339520
(2024.09.17閲覧)
4)北総鉄道株式会社『会社概要』
https://www.hokuso-railway.co.jp/hokuso/outline.html
(2024.09.17閲覧)
5)MCDB『MJK_MR1585_102585_HOKUSO_1』
https://mcdb.sub.jp/forums/topic/mjk_mr1585_102585_hokuso_1/
(2024.09.17閲覧)
6)MCDB『PT_08-16_3242_HOKUSO_null』
https://mcdb.sub.jp/forums/topic/pt_08-16_3242_hokuso_null/
(2024.09.17閲覧)
7)堀川工機株式会社『RAILWAY MOTOR・CAR & DIESEL LOCOMOTIVE』(1980年代後半に発行されたと推定されるカタログ)