MMW


主に架線、架線柱、碍子、支持金具の調整、修繕を行う多機能保全車である。
MMWはMultiple Maintenance Wagonの略である。

固定作業台や高所作業台、クレーンを装備している。

搭載している作業機は導入時期により差異が見られる。
新潟トランシスにおいて同型式が継続生産されている。


第1世代MMW

△昇降旋回伸縮作業台を展開しているMMW 文献2)より

■概要
富士重工の製品紹介にて<新型>として紹介されていることか、最初期に登場したと思われる多目的保全車。
その後の量産車と作業機の構成が異なる。
JR東日本で採用されている。

■構造
前後に運転室を設ける2軸車で、作業機として架線支持装置、架線検測装置、昇降旋回伸縮作業台、一部昇降スライド作業台及びクレーンを設ける。
重連総括制御方式の採用により、1人で同車種の編成運転が可能になるほか、電気指令ブレーキ方式により運転の容易化と安全性の向上が図られている。また、作業台上からのリモコンによる定低速走行も可能である。
作業台は昇降旋回作業台を採用しており、800×1200mmの作業台の一部が2000mm昇降し、車両中心から左右各々900mmスライド可能となっている。

 

 


第2世代MMW

△スーパーデッキを展開するMMW

■概要
2号機以降から確認されているタイプのMMW。以後のMMWはこの形を踏襲する流れとなる。
JR東日本で採用が確認されている。

■構造
第一世代で搭載されていた昇降旋回伸縮作業台がタダノ製の高所作業機に変わっているのが大きな特徴である。また、台枠と同じ高さに据え付けられていたクレーンが高い位置に変更となっている。

■諸元(5号機)

全長 10800[mm]
全幅 3150[mm]
全高 4500[mm]
自重 27.0[ton]

 

■走行性能

勾配 牽引重量 単車積載時速度 重量牽引時速度
水平線 20[t] 90[km/h] 80[km/h]
15‰ 20[t] 70[km/h] 50[km/h]

 

 


参考文献
1.JR東日本 会社要覧2013-2014 p41「電力」
https://www.jreast.co.jp/youran/pdf/2013-2014/jre_youran_group.pdf
2.富士重工カタログ <新型>電気作業用軌道モータカー[型式:MMW]