天然温泉ホテルこまち

イントロダクション


保守用車鉄活動とは忍耐と努力である。
寒空の下、いつ来るかも分からないモータカーを待ちつづけて凍える。
職場の定時のベルが鳴った瞬間、飛び出してそのまま何百キロと車を運転して遠征する。
製造銘板撮影のために日の出から日の入りまで終日側線ラリーをつづける。
日々、保守用車鉄はそのような行動をしている。忍耐と努力こそが至高の結果を生むのだ。

だからこそ、休息するときはしっかりと休息したい。
温泉に入って凝り固まった身体をほぐし、暖かい布団で眠りたい。

そこで、今回は万人におすすめしたい高コスパ温泉宿として、秋田県秋田市にある「天然温泉ホテルこまち」を紹介しよう。

なお、本稿は2024年1月現在の情報を示すものとする。

レビュー


天然温泉ホテルこまちは、ホテル付スーパー銭湯である。一般的な健康ランドのような基本料金のみで利用できる仮眠室は存在せず、シングル個室等への“宿泊”が前提となる。しかし、その分多彩な客室構成でさまざまな需要に対応しており、かなりの高コスパ宿なのだ。

天然温泉ホテルこまちの通常の個室は、シングルルーム、ツインルーム、ダブルルーム、和室から構成される。シングルルームのベッドはセミダブルであり、非常にゆったりとしている。各客室も一般的なビジネスホテルのそれと比べてゆったりとした作りになっており、広々と部屋を使うことができる。
そして、天然温泉ホテル こまちの最大の魅力は、シングル(簡易個室)の存在である。大部屋の中にパーテーションで区切られた部屋がたくさん並んでおり、その中に布団が敷いてあるという部屋だ。天井は吹き抜けとなっているため音は漏れてしまうが、鍵付個室であり一定のプライバシーやセキュリティーは保たれている。大部屋の中は常に薄暗くライティングがなされており、また布団もマットレス上に敷かれているため快適に眠ることができる。
なお、宿泊者に対しては館内着、タオルが貸し出されるほか、歯ブラシ、カミソリといったアメニティが付いてくる。
これらの部屋は、天然温泉ホテル こまちのwebサイトからネット予約することができる。価格は時期によって変動するため、そのときどきに確認してもらいたいが、シングル(簡易個室)は最安で一泊3,500円からとなっている。温泉に入れて、アメニティも付いて、快適に布団で眠れると考えれば、3,500円は高コスパだろう。

天然温泉ホテルを名乗る以上は風呂にも期待したいのだが、入ってみると意外と屋内の浴槽は小さい。大浴場を名乗るが、もうひとつ足りない印象。しかし、ここでがっかりしてはならない。天然温泉ホテル こまちの風呂の本当の実力は露天風呂にある。何を隠そうこの風呂場、屋内に比べて屋外の方が倍近くの面積があるのだ。通常の湯船からつぼ湯、ねまり湯、薬湯、足湯とさまざまな浴槽がある。
温泉の泉質はナトリウム塩化物泉ということで、弱アルカリ性のしょっぱいお湯だ。風呂上がりには肌がつるつるとする。ただし、源泉が入っている浴槽は屋内に一つ、屋外に一つあるのみで、ほかの浴槽はすべて白湯のようだ。

天然温泉ホテルこまちの館内には食堂があり、定食から居酒屋メニューが一通りそろっているほか、目玉として焼肉メニューが充実している。リストバンド会計式なので、気軽に手ぶらで食事ができる。
食堂の営業時間は、11時から22時までとなっているが、曜日によって変動するため、これもまたwebサイトを確認して欲しい。
また、宿泊者には夜鳴きそばとしてミニラーメンが無料で振る舞われているのも嬉しい(まるでどこかのホテルみたいである)。

天然温泉ホテルこまちは宿泊利用だけでなくデイユースとしても魅力的だ。館内に無料休憩所があり、そこに一般的な健康ランドの仮眠室でよく見られるリクライニングチェアが並んでいるからだ。たとえば徹夜明け朝5時に入り、朝風呂ののちに無料休憩所で仮眠するという使い方ができる。この場合有料ではあるが館内着のレンタルもあるので、ゆったりとくつろぐことができよう。

天然温泉ホテルこまちは、たとえば秋田内陸縦貫鉄道のTMC400Aを見物しに行くその前哨基地としたり、青森や函館方面へ足を延ばす際の足掛かりとしたり、さまざまな場面での活用が考えられる。あなたの宿泊地候補の一つとしてぜひ覚えておいてもらいたい。

宿泊地情報


店名 天然温泉ホテル こまち
住所 秋田県秋田市卸町1丁目2-3
営業時間 5:00~24:30
公式webサイト https://www.spa-komachi.jp/