■概要
ROBEL社はドイツのフライラッシング(Freilassing)に本社を置く軌道保守機械メーカーである。ROBEL社は様々なトロを製造していているがこの項ではレール交換に関わるトロについて記載する。
レールの積卸時に不適切な操作を行うと曲げ限界や降伏点を超えた力がかかってしまいレールの変形や歪みを引き起こす恐れがある。こうした欠陥は目視や非破壊検査で全てを摘出することは難しく、欠陥の発見が遅れると最悪の場合レールの破損に繋がる危険性がある。
ROBEL社ではこうした事態を防ぐレール交換システムを製品化している。もちろんREXS編成中の40.65もその目的で製作されたものである。
機械の種類 | 機械番号 | レール長 | 標準的な作業現場の長さ | 設計に応じた自動化レベルの選択 | 積卸場所 | 分岐器のリードレールの交換 |
レールパトラー | 40.30 | 最大180[m] | 数百[m]から数キロ[m] | 低から中程度 | 柔軟 | 不可 |
レール積込機 | 40.44 | 約10[m]から120[m] | 約10[m]から120[m] | 低から高程度 | 外側のみ | 可能 |
REXS | 40.61-65 | 約60[m]から500[m] | 約120[m]から数キロ[m] | 低から超高程度 | 柔軟 | 不可 |
■40.44 レール積込機
40.44はトキオのMKや三東の多目的レール運搬台車のようなレール運搬トロである。
△積込クレーン付きの40.44 レール積込機。文献1)より
積込クレーンは手動のもののほか電動のものも用意されている。オプションで遠隔式のレールトングもありレールを掴んでおろす作業を完全に自動化することも可能となっている。
■40.30 レールパトラー
レールパトラー(Rail Putler)はROBEL社の造語でPutlerという単語があるわけではない。
△40.30レールパトラー。文献1)より
画像のようなフロントに連結されたレール荷降ろし装置を備えたレール輸送ユニットを積荷のレール交換現場の始点まで牽引し、荷降ろしベルトはクランプヘッドを介して線路に取り付ける。 牽引機関車が輸送ユニットを引き出すと交換用のレールが軌道上に下ろされる仕組みとなっている。
■40.61-65 REXS
REX-Sレールトレインはレールマニピュレータ(RM)、シュートワゴン(CWU)、搬送ユニットの3つから構成されるレール交換編成である。
△40.65 REX-S編成。文献1)より
REX-S編成は180[m]のレールを2分で下ろし、4分で積み込むことができる。また、搬送ユニットは最大長500[m]のレールを数層に分けて最大50本収納することが可能となっている。
なお、40.65だけではなく40.61及び40.63というモデルも存在する。
日本のREXS編成の詳細については40.65の項参照のこと。
■参考文献
1)Bernhard Klee『Rail replacement as a maintenance benchmark』https://www.robel.com/fileadmin/ROBEL_Files/Newsroom/Publikationen/Englisch/Nachbau_20170727_EIK_18_Schienenwechsel_als_Instandhaltungsgradmesser_EN.pdf
(2022.11.26)