PW30T

 


■概要
1989(平成元)年6月に登場したミニ油圧ショベルをベースに開発された道床掘削機である。
レールやマクラギを痛めることなく、また信号システムに影響を与えないように特に架線との接触事故を防止する作業範囲を採用している。
軌道上への乗り入れ、脱出が容易で燃料切れ等で動けなくなっても近くの待避所まで人力で移動できるようになっている。

当形式は2023年現在では珍しいゴムタイヤ駆動の軌陸バックホウとなっている。

 

■使用実績
東鉄工業が平成3(1992)年9月から平成4(1993)年3月までの期間に行われた八高線八王子-拝島間のPCマクラギ更換工事において当型式が道床かき込みと道床整理に使用された1)

また、第一建設工業が使用していたことも確認されている2)。タイヤ式の軌陸ショベルは走行速度が速く道路上を自力走行できることから使用条件にマッチしており好んで使われたようである。

 

■主な仕様

バケット容量 0.11[m^3]
全装備重量 3.95[t]
定格出力 28PS]
最大掘削深さ 2.81[m]
最大掘削半径 5.02[m]
走行速度 14.9[km/h](ゴムタイヤ)

 

参考文献
1)調査部会『新機種ニュース』,建設の機械化,No.478,日本建設機械化協会,(1989.12)
2)横山健二・尾高達男・池脇逸志・伊藤義喜『機械編成群によるPCまくらぎ更換』,新線路,第46巻7号,鉄道現業社,(1993.07)
3)宮崎三雄『機械化施工道床更換工事の定着をめざして』,新線路,第44巻11号,鉄道現業社,(1990.11)

脚注
1)文献2) p.7。
2)文献3) p.39。