道床の初期沈下を促す道床安定作業車。
形式名は『動的な軌道安定装置』という意味の英語『Dynamic Track Stabilizer』の略称である。
車体中央には2基のスタビライザーユニットを搭載しており、車体から推進軸にて伝達された動力で偏心したウエイトを回転することで振動を発生させる。
この振動により道床を初期沈下させることにより軌道の安定性を向上させる他、軌道狂いの発生を抑制する。
スタビライザーユニットの前後には検測輪を備えており、仕上がり状態の検測も行うことができる。
諸元
■ 寸法・重量
長さ | 17,520[mm] |
幅 | 2,980[mm] |
高さ | 4,200[mm] |
軌間 | 1,435[mm] |
台車軸距 | 1,500[mm] |
台車中心間距離 | 12,300[mm] |
自重 | 60.0[t] |
■エンジン
エンジン名称 | KHD F12L 513 |
エンジン出力 | 348[kW]/2300[rpm] |
エンジン回転スロット | 電気制御 |
ロックアップ回転数 | 1,778rpm |
■トランスミッション
方式 | トルコン付三段変速 |
型式 | ZF 4WG65Ⅱ |
出力 | 350[HP]/2500[rpm] |
1速減速比 | 3.36 |
2速減速比 | 1.77 |
3速減速比 | 0.924 |
アクセルギヤ比 | 3.1 |
■ブレーキ方式
直通ブレーキ | 2回路方式 |
貫通ブレーキ | KEバルブ G固定 |
貫通ブレーキ操作バルブ | あり |
■スタビライザーユニット
最大振幅 | 5[mm] |
最大回路圧 | 350[kg/cm^2] |
垂直プレロード圧 | 40~100[kg/cm^2] |
水平プレロード圧 | 60[kg/cm^2] |
参考文献
1) NipponPlasser「DTS 62N」
https://www.nipponplasser.co.jp/ja/machines-systems/stabilization-and-consolidation/dts-62-n.html
2) 須長誠「鉄道技術アラカルト(85) 世界初を狙う -道床バラスト密度の測定-」RRR,2011,6
https://bunken.rtri.or.jp/PDF/cdroms1/0004/2011/0004005455.pdf
3) 中村逸人・瀧本健吾「道床安定作業車(DTS)故障発生防止の一考察」土木学会年次学術講演会講演概要集第4部,57巻,(2002.9)
http://library.jsce.or.jp/jsce/open/00035/2002/57-4/57-4-0094.pdf#search=%275740094%27
4) 中山裕和・増子宏之 「道床更換箇所のマルタイつき固め作業の一考察」土木学会年次学術講演会講演概要集第4部,64巻,(2009.9)
http://library.jsce.or.jp/jsce/open/00035/2009/64-04/64-04-0273.pdf
5) 矢田太郎・中川正樹「DTSを積極的に活用した軌道整備手法による軌道状態の改善 」土木学会年次学術講演会講演概要集第4部,65巻,(2010.9)
http://library.jsce.or.jp/jsce/open/00035/2010/65-04/65-04-0299.pdf
6)日本機械保線「新幹線道床安定作業車(DTS-62N型)乙検査検修マニュアル」
7)名倉伊佐美「東海道新幹線におけるMTT・DTS・KVPの併結システム」,新線路,第54巻,8号(2000.8)