HTM600E


東海道本線丹那トンネル内の道床更換を推進すべく導入された専用機械群内の道床掘削機である。

丹那トンネルは来宮-函南間に位置する全長7,841[m]の長大トンネルであるが
・狭隘箇所でかつ間合いが短い
・湿潤環境でレールの電食が甚だしい
・道床バラストの泥化・砕粒化が進みマルタイ投入の効果が長続きしない
といった問題点が多くあったためトンネル内のバラストを更新することとなった。

専用機械群は1994(平成6)年に導入されたもので反対線側の列車を通しながら作業をするため道床の掘削から発生バラストの回収及び最終軌道整備までを一環作業として当該線のみを使用して実施している。

△専用機械群。文献2)より

当形式は2006(平成18)年5月に導入された2代目である。
トンネル内は道床肩がないため道床更換機のカッターバーが切り込めない。そのため連続掘削に先立ち軌道脇に水車のような掘削ユニットでカッターバーを入れる溝を掘る役割を担っている。
また、保守基地から作業現場までの移動時の動力車でもある。

 

参考文献
1)NICHIJO『HTM600E バラスト掘削車』
https://www.nichijo.jp/product/kidou/htm600e.html(2023.05.04)
2)『線路の保守作業・検査用機械』,新線路,第61巻4号,鉄道現業社,(2007.04)
3)阿部謹一『丹那トンネルの機械編成群による道床更換』,第50巻1号,新線路,鉄道現業社,(1996.01)