■概要
ドイツDEMAG社では吊上荷重50トンの3軸オールテレーンクレーンAC50をベースにした軌陸クレーンを製造していた。
日本国内で姿が見られるのは青木重起所属のAC50RJである。
AC50RJはAC50Rの日本向けモデルという扱いであると思われるが、AC50R製造前にドイツのケルン及びデュッセルドルフの交通局がCOLES社の軌陸クレーンの置換用にDEMAG社に製作を依頼したAC50Sというモデルが存在した。
サフィックスの「S」はドイツ語でレールを意味する「Schiene(シーネ)」の頭文字で軌道兼用を意味している。このモデルは軌陸架装のほかにベースモデルのAC50からマスト短縮及び変速機をトルコンATからHSTへ変更といった差異がある。
軌陸部分はGOTTWALDが担当している。
このAC50Sはトンネル区間の工事・事故処理等作業で活躍したがあまりにも高価だったので1台の製造で終了している。
AC50Sの後継モデルがAC50Rで、ケルン市交通局(Kölner Verkehrsbetriebe)の1997年製の個体が確認されている。
△参考文献4)より。ケルン市交通局のKVB950
△KVB950の作業風景。軌道走行はしていないが作業を捉えた珍しい動画なので取り上げた。8分30秒くらいまで。
日本では前述の通り青木重起が狭軌仕様及び狭軌標準軌兼用のAC50RJを計4台保有している。
参考文献
1) Hansebube-Forum 『Ac 50 R』
http://www.hansebubeforum.de/showtopic.php?threadid=928
(2022.09.12)
2) Hansebube-Forum 『Demag TC1000, TC1000 S und TC1100』
https://www.hansebubeforum.de/showtopic.php?threadid=9807
(2022.09.12)
3)Terranova『DEMAG AC50』
https://www.terranova.co.uk/wp-content/files/pdfs/cranes/ac-50.pdf
(2022.09.12)
4)Zweiwegefahrzeug.de『Köln / KVB 950 (Mobilkran) / 13.11.2014』
http://www.zweiwegefahrzeug.de/viewtopic.php?f=16&t=442
(2022.09.12)
5)株式会社青木重起『保有車両』
http://aokijuki.co.jp/publics/index/12/
(2022.09.12)
AC50RJ