HTR400R

概要


モータカーロータリー市場において長らく実質的に唯一のメーカの座にあった新潟鐵工所は、1998年にHST方式の400馬力級モータカーロータリーとしてMCR-400を登場させる。MCR-400は、主にJR西日本在来線向けに開発された機種で、北陸地方や山陰地方などで多く見られる機種である。
ところが、1999年にそれまでモータカーロータリーの製作実績がなかった富士重工業がこのJR西日本在来線向けの400馬力級モータカーロータリーを受注。この際、道路用除雪車市場にて長年の実績があった日本除雪機製作所(現:NICHIJO)に開発を依頼する。日本除雪機製作所は、1995年に黒部渓谷鉄道向けHTR170Rを開発した実績があったが、JR向けの本格的な保守用車を開発するのはこれがはじめてであった。

こうして日本除雪機製作所で開発された400馬力級モータカーロータリーはHTR400Rと名付けられ、2000年に富士重工業・MCR400-WとしてJR西日本向けに5両納入される。
その後、日本除雪機製作所は独自に同機をJR北海道向けに製造するようになったほか、JR西日本向けについても日本除雪機製作所・HTR400Rとして納入するようになっていった。

動力方式として新潟鐵工所/新潟トランシス・MCR-400と同じくHST方式を採用している。機関は400馬力級のものを一基搭載する。

バリエーションとして、基本形のHTR400Rのほかロータリー除雪装置を前後に装着したHTR400RBが存在する。

機種


1999年に富士重工業・MCR400-Wとして開発された400馬力級モータカーロータリー。
その後、HTR400RとしてJR西日本やJR北海道向けに製造されている。


2003年に登場した両頭式モータカーロータリー。
JR北海道向けとJR西日本向けが存在する。

参考文献


1)株式会社日本除雪機製作所 社史編纂委員会, 『じょせつき : 創立50周年記念社史』, 日本除雪機製作所, 2012年