GO-4

△秋田新幹線工事で使用されたTrac Gopher(トラック=ゴウファ)GO-4。文献1)より


■概要
秋田新幹線(盛岡-秋田)1)、そして山形新幹線新庄延伸(山形-新庄)2)工事で使用されたバラスト掘削機である。
山形・秋田新幹線建設工事で使用されたビッグワンダーは有名であるがその「レール抱え込み⇒旧マクラギ撤去⇒新マクラギ敷設⇒レール復旧」の一連の本作業の前作業として鼻バラストの掻き出しの役割を担った。

 

■構造
道床掘削用のアンダーカッター、水車のような回転バケット、そして発生バラスト排出用のベルトコンベアを有する。なお自走可能である。

動作に関しては下の動画を参照願いたい。

 

■新幹線建設工事での役割
当型式は前述の通り本作業の前作業として鼻バラストの掻き出しに投入されたが専任だったわけではなくバックホウも併用されていた。

新庄延伸工事にあたり鼻バラスト掻き出しのスピードアップを狙い当型式の作業を主体とすることとなった。そのためアンダーカッターを取り外し回転バケットの容量を1.5倍(350[mm]から500[mm])とし回転バケットによる掘削作業一本に絞り込む改造が行われた。

△500[mm]に拡大された回転バケット。文献2)より

この改造により鼻バラストが極端に多い箇所であっても往復することなく1回で掘削を済ませることができるようになった。

△掘削作業の様子。文献2)より

参考文献
1)松田務『バラクリ3年・・・-今年は「バラスト=クリーナー」-』,トワイライトゾ〜ンmanual6,ネコ・パブリッシング
2)田口禎昭『山形新幹線延伸における改軌工事の省力化』,新線路,第54巻10号,鉄道現業社,(2000.10)
3)田口禎昭『ビッグワンダー改軌における付帯作業の省力化』,新線路,第54巻10号,鉄道現業社,(2000.10)
4)秋田新幹線改軌工事建設共同体『盛岡~大曲間軌道改軌工事施工に伴う事故防止対策』,日本鉄道施設協会誌,1996年11月号,日本鉄道施設協会

脚注
1)ビッグワンダー及びトラックゴウファによる作業が行われたのはそのうちの盛岡-角館間のみ(文献4) p.64)。
2)ビッグワンダー及びトラックゴウファによる作業が行われたのはそのうちの神町-新庄間のみ(文献2) p.14)。