■概要
JRS(日本国有鉄道規格)の鉄製トロ(10t空気ブレーキ付)より派生していった積載荷重10[t]の鉄製のトロ。軌道モータカーと連動して空気制動を行うことができる。
■構造
以下、JRSに規定された鉄製トロ(10t空気ブレーキ付)について述べる。
形鋼で作られた台枠の中央に旋回台を備えている。旋回台には吊り上げ装置を取り付けてレール等の作業で使用する物品の積込に利用することができる。
JRS制定時は4軸4輪の構造であった。
これは車輪が直径380[mm]と小さく、車輪を絶縁構造とするのは高い技術を要するため台枠取付部での絶縁としたためである1)。
昭和41(1966)年の規格改正時には絶縁車輪製造の問題が解決されたためか、規格が2軸4輪という現在でも一般的な構造に変わっている。
なお、規格制定時には狭軌用と標準軌用の2種類であったがこの改正時には狭軌用のみとなっている2)。
■主要諸元3)
寸法 | 軌間 | 1067[mm] |
バックゲージ | 988~994[mm] | |
軸間距離 | 1300 | |
台枠(長さ×幅) | 約1900[mm]×1700[mm] | |
レール面から台枠までの高さ | 約430[mm] | |
重量 | 約1300[kg] | |
積載荷重 | 10[ton] | |
走行速度 | 35[km/h] |
脚注
1)文献1) p.4
2)文献2) p.1 及びp.3 表2による
3)文献2) p.3 表2及び表3による
参考文献
1)『鉄製トロ(10t空気ブレーキ付) JRS 79720-2C-13AR9』,日本国有鉄道,(1963)
2)『鉄製トロ(10t空気ブレーキ付) JRS 79720-2B-13CR6』,日本国有鉄道,(1966)
鉄製トロ 空気制動装置付き
鉄製トロKA形
鉄製トロN形
鉄製トロSN形 鉄製トロN形の一体車輪仕様
鉄製トロB
鉄製トロ(箱型)
10T-380K6
10T-N
10T-380N
10T-S
鉄製トロ(10tエアーブレーキ付き)
鉄製トロ(10tクレーン付)
鉄製トロ(平トロ)
鉄製トロ(高所作業車)
10T-SA
鉄製トロ(10tクレーン付)
10T-SN
10T-380S
鉄製トロ(新幹線用)
鉄製トロ(高所作業車)
10T-400S
10T-500S
鉄製トロ(新幹線用)