■概要
芝浦製バラストスイーパーBC-2の改良型。
昭和53(1978)年に妥結した「新しい線路保守体制(以下マル新)」を踏まえた変更を含めた改良を施している。
■構造
当形式は台車、動力装置、バラストスイーパ装置、ブラシ上下装置及び操作装置から構成されており一人で操作できるようになっている。
当形式はマルタイまたは軌道モータカーで牽引し、搗き固め作業後のマクラギ上面および締結装置のバラストの清掃を行うものである。
大きな変更点として以下の4つが挙げられる。
1.ブラシ上下装置の装備
当形式からの最大の変更点として両側からワンタッチでスイーパー装置をワンタッチで上下できるようになっている。
これは前述のマル新によりマルタイ作業に於いてバラストスイーパー操作のみを行う要員を専属に張り付けることができなくなった。そのため支障物がある場合でも正確・迅速にスイーパー装置を上げる必要に迫られたことによる変更である。なお、従来型は手動によるレバーブロック操作でスイーパー装置を上下させていたが油圧によるブラシ上下装置により上下速度は10倍(全行程30[秒]→3[秒])と大幅に速くなっている。
2.60[kg]レール対応
レールの重軌条化に伴い上級線区に60[kg]レールが敷設されているが、旧型の直径760[mm]のブラシではゴム製のパイプが15[mm]ほど摩耗すると作業能率が悪くなっていた。そのため直径を860[mm]として60[kg]レール区間での作業も施工できるようにしている。
3.バラストスイーパの中間台車としての牽引強度アップ
マル新移行によりマルタイ作業が増加することとなったがそれに伴い故障による救援機対応も多くなることが予想された。そのため新型のフレームはパイプ鋼材を使用し高さも100[mm]低くすることで強度アップを図っている。
4.作業灯の使用が可能
バッテリー容量を40[AH]から70[AH]に上げ本体左右に備えたスイッチにより60[W]の作業灯2個を自給で点灯することができるようになっている。

■主要諸元1)
全長 | 2.6[m] | |
全幅 | 2.55[m] | |
全高 | 1.8[m] | |
重量 | 2.5[t] | |
ガソリン機関 | 形式 | 空冷ガソリン機関 |
定格出力 | 7.5[PS] / 1,700[rpm] | |
バラストスイーパー装置 | 直径 | 860[mm] |
長さ | 2,100[mm] | |
回転数 | 130[rpm] | |
速度 | 回送時 | 35[km/h] |
作業時 | 2[km/h] | |
ブラシ上下速度 | 15[cm/秒](全行程3[秒]) | |
油圧ポンプ | DC12[V] 7.5[L/分](100[kg/㎤]) | |
油圧シリンダ | Φ40×450[mm](ストローク) | |
バッテリ | 70[AH] |
参考文献
1)内嶌弘蔵『バラストスイーパの改良』,新線路,第34巻2号,鉄道現業社,(1980.02)
脚注
1)文献1) p.46の表-1「諸元」による