■概要
マルタイ作業後の道床整理並びにマクラギ面上の清掃を行う機械である。
1994(平成6)年10月より本線作業に導入されている。
■作業装置
当形式は以下の作業装置を有している。
・スイーパブラシ
耐摩耗性の高いゴムホースを200[本]装備したロータリー式でスイーパー幅は2,100[mm]、砕石飛散防止ケースの内側には硬質ゴムの上に消音鋼板を設けて摩耗及び防音効果を高めている。
・ベルトコンベア
ブラシ清掃幅内にある残余の砕石をスイーパブラシでベルトコンベアに載せて軌道の両側へ排出する。
軌間内の砕石が不足している場合は道床肩に余盛してある砕石を掻き寄せ翼でレール近くへ寄せスイーパブラシと組み合わせて軌間中央部に補充する。
・締結装置用ブラシ
締結部に残留した砕石を清掃する装置。
・マクラギ上面スイーパ
マクラギ上面にある砕石をマクラギ間に掃き落とす装置。
・レール底部正面スイーパ
レール底部上面に残留した砕石を取り除くものでエアーによりセット・格納される。
・コンパクタ装置
マクラギ端部両側の道床肩を締め固める装置でスイーパと同時作業ができる。
コンパクタ装置の諸元は以下の通り。
転圧部中心距離 | 2,430[mm] |
転圧幅 | 250[mm] |
長さ | 1,000[mm] |
振動モータ | AC200[V]-1.1[kW] |
遠心力 | 0~1,600[kg] |
・障害物検知装置及び距離パルス発信装置
作業中に軌道内にあるATS地上子や、踏切道、ガードレール、分岐器等を検知する機能で、距離を設定しておくと設定距離だけ進行すると車両が自動停止しスイーパーは上昇する。
・手搗きタンパ
車両にAC200[V]-15[kVA]の発電機を搭載し前後に設けたコンセントより同時に4台の手搗きタンパが使用できる。手搗きタンパは車両に格納可能。
・脱線復旧用アウトリガー
車両の床下4箇所に独立して動作する油圧シリンダを設けている。
・散水装置
スイーパーケースの先端部に散水ノズルを設け作業時に粉塵がたたないよう散水(約1,000[L])できる装置を設けている。
■諸元
・主要性能
自重 | 約22[トン] |
単車回送速度 | 約50[km/h] |
牽引重量 | 65[トン] |
30[‰]時速度 | 6~8[km/h] |
スイーパ速度 | 1~2[km/h]/定速度運転 |
・主要寸法
全長 | 約9,550[mm](連結面間距離) |
全幅 | 約2,800[mm] |
全高 | 約3,510[mm] |
軸距離 | 3,800[mm] |
・主要諸元
エンジン | 6気筒ディーゼルエンジン |
駆動装置 | 2軸油圧駆動(牽引時)/1軸油圧駆動(作業時) |
制動装置 | 油圧ダイナミックブレーキ ※作業時や空気式直通ブレーキと併用可 ※牽引時は空気式貫通ブレーキと併用可 ※駐車時はフェルセーフディスクブレーキ |
連結装置 | 柴田式連結器及びピンリンク連結器 |
車上短絡装置 | 運転台で一括制御 |
懸架装置 | 重ね板ばね |
参考文献
増田喜孝『新形バラストスイーパの導入』,新線路,第48巻11号,鉄道現業社,(1994.11)