MC397


■概要
遠隔運転装置付の多用途に使用できる平トロでMC398と2両で編成を組んで使用される。平成9(1997)年頃3両が導入されたのちも増備が続けられた。

 

■導入の経緯
当形式が導入されるまで、レールやマクラギ運搬は吊り上げ装置付のトロ、その他材料の運搬には平トロと、運搬材料により編成変更を行って作業を行っていた。多数存在した単一目的の車両に代わって多用途に使用できるものとして当形式が導入されることとなった。

 

■主な構造
・遠隔運転装置
従来車両では監視台が置かれた位置に遠隔運転装置を設置し、モータカーの遠隔操作ができるようにしている。推進運転をする必要がなくなり安全性が向上したほか、推進運転時の運転速度制限が撤廃された。また運転台部分が従来の監視台より拡大されたため同乗者が風雨を凌いで移動できるようになった。

・積込装置
平トロタイプの従来車両にはなかった吊り上げ装置を1基備えている。重量物の積込を安全に行うことが可能となっている。また積込装置はレール受台を兼ねたクレーン支柱取付部が位置変更できる構造となっており、従来レール運搬作業時のレール長に応じた重い連結棒の付け替えといった準備作業も不要となった。この装置は両側に取り卸せるようになっており片側にしかおろせなかった従来車両と比べて機能が向上している。

参考文献
森一孝『トンネル点検車及び遠隔運転装置付材料運搬車の導入』,日本鉄道施設協会誌,1997 第11号,日本鉄道施設協会,(1997.11)