20t貨車移動機

(写真:モデル線鴨宮基地で撮影されたLO-201

 


 

本項では国鉄工場で製造された20t貨車移動機のうち、東海道新幹線の建設時にモータカーとして使われた個体について解説する。

 

■概要

LO-201とほぼ同形状の国鉄工場製20t貨車移動機の例(これは1067mm軌間用)

 

東海道新幹線の建設時、他の区間に先立って神奈川県内にモデル線(鴨宮モデル線)が造られ、ここで開業に向けた各種の試験が行われていた。
モデル線の建設・保守作業には、国鉄浜松工場製の20t貨車移動機(機番LO-201)が使用されていた。外観は各地の国鉄工場で造られていた20t貨車移動機とほぼ同じだが、1435mm軌間用となっている。配色は濃紺の車体に黄色の表記という組み合わせであった。

本機は主にホッパ車(3000形→391形)の牽引に用いられていた。東海道新幹線の建設が本格化すると、同じく20t機である日立製作所製(4両)新潟鉄工所製(2両)の機関車が追加で導入され、他の区間の建設に使用された。
正式開業後、この浜松工場製20t機を含めたこれら7両の機関車は、そのままモータカーとして保線作業に用いられたと記録されている。

 

■文献

沖田 祐作『機関車表』,2014年,ネコ・パブリッシング.
久保 敏「国鉄・JR 入換機関車・入換動車の記録」『RAILFAN』750号,2017年,pp.12-20.
東京幹線工事局編『東海道新幹線工事誌:一般編』,1965年,東京第二工事局.
日本国有鉄道新幹線総局編『新幹線十年史』,1975年,日本国有鉄道.
船本 竜平「新幹線モデル線55.5k-61k間軌道敷設工事」『鉄道線路』11巻6号,1963年,pp.29-34.