■概要
Ausf.3はJR西日本が導入したミリング式レール削正車である。
ミリング車とグライディング車の2両を1ユニットとして構成される。
ミリング車で粗削りを行い、グライディング車でミリング削正後の凹凸を滑らかにする仕上げを行うため、ミリング車側を先頭に作業を行う。
ミリング式削正はカッター状の刃を縦回転させ、レールを削り取るような形でレールを削正することから1回あたりの削正量が大きいのが特徴となっている。
このことから従来のグラインダー式削正車では作業区間を数往復して施工していたのに対し、
同じ作業を1パスで施工することが可能で作業効率性が向上した。
JR西日本では作業効率性の高さを踏まえ、2023年4月現在では保守間合いの少ない中国地方エリアでの運用が予定されている。
■ミリング車
ドイツのシュベアバウインターナショナル社製のミリング削正装置を搭載している。
1パスで0.3mm~2.0mmまで削正が可能である。
ミリングチップは1ホイール当たりに512個取り付けられており、
50Nレールの形状となるように配置されている。
円周方向のミリングチップ同士で取付高さに差が生じると切削量にムラが生じ、施工後の騒音等の原因となることから、
これを防止するためにチップ組付け後の相対高さ測定及び、0.01mm単位のシムによる高さ調整を自動測定装置によって行っている。
また、ミリングチップ交換時のミリングブロック運搬、チップ固定用のネジを自動緊緩する作業支援ロボットを搭載している。
削正後の切り屑はバキューム装置によってグライディング車のコンテナ室に運搬され、保守基地などで圧縮空気によって車外のドラム缶などに排出できる構造となっている。
△ミリング削正後の切粉排出の様子
■グライディング車
ローベル社製のグライディング削正装置を搭載している。
グライディング車は片側6頭(左右で12頭)の砥石をレールの長手方向に摺動させ、レール踏面を研磨する。
砥石は湿式研磨用のものを使用している。
湿式研磨用の砥石を使用する利点としては、
・グライディングの際に発生する粉塵の飛散防止が可能
・レールに付着する削正カスの洗浄が可能
・仕上がりが天候によって左右されない
といった点が挙げられる。
■検測装置
削正後の仕上がり検測用にフォーゲル&プロっシャー社製RMF(長手方向レール形状測定システム)と
プラッサーアメリカン社製RGMS(レール断面形状測定システム)の2種類の検測装置を搭載し、
検測部はグライディング車後位側に設置されている。
諸元
■寸法・重量(編成)
長さ | 31,400[mm] |
高さ | 3,900[mm] |
全幅 | 2,900[mm] |
軌間 | 1,067[mm] |
自重 | 108.6[t] |
■ 走行性能
回送時 | 作業時 |
60[km/h] | 0.4~1.2[km/h] |
参考文献
1)村上 邦宏,新地 悟『新型レール削正車(ROMILL1445OGX)の導入』,日本鉄道施設協会誌,2023年4月号,日本鉄道施設協会,(2023,4)