ラドックの軌陸トラック


■ラドック車の概要

ラドック車は1920年にドイツで設立されたラドック社で生産される小型トラックである。大きさは種類により若干異なるが日本の軽トラ程度とコンパクトである。

欧州では法規の規制の緩い「少量生産車(年間1,000台以下)」に分類され年間数十台程度が製造されている。

ラドック車は多様な作業を行う目的で作られているトラックで油圧の取り出し機構を備えている。この油圧を利用して様々な作業を行うことが可能である。

この手の小型トラックは他社でも生産しており、ラドック車もそのうちの一台である。欧州の市街地を歩いていると清掃ブラシを付けた車両を見かけることがある。


△ドイツの市街地を走行するラドック道路清掃車。

日本国内でナンバー登録する場合普通自動車として登録された事例もある。またオプションの4WSを付けて清掃ブラシや荷台のダンプシリンダ等を装備すれば大型特殊自動車の要件を満たすことができ、大型特殊自動車として登録することも可能である。

実際日本の正規輸入代理店である矢野口自工が所有するラドック清掃車は大特ナンバーを取得して公道走行を実現している。
 
 
■ラドック軌陸車の製作メーカー

ラドック軌陸車の製作メーカーとしてはドイツのツヴァイベグ社が知られている。

日本では輸入車のインポーターであるヤナセが輸入した個体が名古屋鉄道に在籍している1台が今のところ確認されている。


△メルセデス・ベンツでおなじみの黄色地に青のYANASEのステッカーが確認できる。

この個体には外観上ツヴァイベグ製であることを示すものは確認できない。しかしながら他社でラドック軌陸車を製作している事例は見当たらず、また、ヤナセはウニモグ軌陸車でも繋がりがあるのでこの個体はツヴァイベグ架装と考えるのが妥当と思われる。

なお、Web上で確認できるラドック軌陸車はその車体形状からラドック車の中のT-1400というモデルと思われる。
 
 
■ラドック軌陸車の構造

ラドック軌陸車は車両に備わった油圧を動力源として軌道案内輪を動作させることで軌道走行を実現している。

△フロントの軌道案内輪周辺

駆動力は車両のタイヤを介してレールに伝達される。ゴムタイヤの摩擦係数が鉄輪よりも大きいため車両の重量が軽くても大きな牽引力を発生されることができる。

△廃車となった名鉄6000系4両を牽引するラドック軌陸車。

実際最大車両総質量(GVM)6トンと小柄な車両にかかわらずメーカーが謳う牽引能力は300tと非常に大きくなっている。

なお、ウニモグはトレッド(車輪距)の関係で軌道案内輪モデルは標準軌以上の軌間が必要だが、ラドックのトレッドは1,240mmしかないため狭軌にも対応している。

△トレッドが狭いのが見て取れる。
 
 
参考文献
1) 矢野口自工株式会社 『ラドック事業部 作業事例』
http://www.yanokuchi.com/ladog/case.html

2)ZAGRO 『Small shunters』
https://www.zagro-group.com/en/products/shunting-vehicles/small-shunters.html

3)KBA 『Verzeichnis der Hersteller und Typen der für die Güterbeförderung ausgelegten und gebauten Kraftfahrzeuge mit mindestens vier Rädern (Klasse N) 』
https://www.kba.de/SharedDocs/Downloads/DE/SV/sv43_pdf.pdf?__blob=publicationFile&v=3

4)LADOG 『Fahrzeugdatenblatt T-1400』
https://www.ladog.de/wp-content/uploads/2017/10/Fahrzeugdatenblatt-T-1400-26092016.pdf