12_レール削正車


列車が走行するとレール頭頂面の摩耗が進行する。
摩耗が進行したレールは騒音の発生や乗り心地の低下を引き起こすが、レールを削り(削正)、頭頂面の形状を整えることでレールの延命を図ることができる。

削正車は車体下部にレールを研削、切削するためのグラインダーやミリングを装備し、回転させレールに押し当てることで削正を行う。

削正車は駅間の長距離削正を主に行う大型の削正車と、急曲線摩耗部の短距離削正を主に行う小型の削正車に分かれる。
削正車の能力は1編成当たりの削正砥石の数によって「〇頭式」と呼称される。

大型の削正車は主に海外メーカーが、小型の削正車は主に国内メーカーが製造している。

 

■構造

△SPENO製の代表的な削正車 LRR16

・削正ユニット
レールの削正に使用する。
モーターの先に砥石が固定されていて、レールに押し当てることで削正を行う。
削正ユニットを傾けることでレールを任意の断面形状に削正することが可能である。

・集塵ユニット
レールを削正した際に発生する粉塵は環境や削正車、軌道周辺の機器へ悪影響を与えるため集塵を用いて集塵する。

・放水銃
レールを削正した際に発生した鉄粉が軌道回路の絶縁継目に残ると軌道共絡が発生する。
また、火花として飛散する鉄粉は高温のため軌道周辺の可燃材に着火する恐れもある。
上記の事象を防ぐために放水銃又は台車近傍の散水ユニットを用いて散水を行う。