GS 80.08 T JR


■概要
ソー300の老朽取換用機械として製造された操重車。主に分岐器の更換に使用する。
松山重車輌製の先導車 MR1546(第1編成),MR1575(第2編成) とワゴン車の3両1編成で運用される。
作業時はクレーン車のブームと反対側にワゴン車に積載していたウェートを取り付け、先導車、ワゴン車を切り離して作業を行う。


△編成図(回送時)
出典:文献 1) P.16より

 

作業性の向上のために下記の機構を搭載している。

■カント補正機構
105[mm]までのカントで自動制御による水平維持ができる。

■隣接線干渉防止機構
車体中心を軸としてブームが旋回した際に、反対側に設置されているカウンターウェイトが隣接線の留置車両へ干渉する恐れがある。
そのため干渉を防止するためカウンターウェイトが軌道中心より1700[mm]以上とび出さない構造としている。

 

■ 諸元

■寸法・重量

長さ 13,000[mm](連結面間)
2,950[mm]
高さ 4,030[mm]
軌間 1,067[mm]
軸数 8[軸]
自重 144.0[t](ウェイト含む)
最小対応曲線半径 R100[m]

 

■エンジン
Benz OM447LA(247[kW]/1800[rpm])

 

■補助エンジン
ホンダ GD410/3000 (4.7[kVA]/3000[rpm])

 

■クレーン

長さ 13,000[mm](連結面間)
ブーム張り出し 8,500[mm](連結面より)
ブーム旋回範囲 360[°]
ブーム仰角 53[°]
定格荷重 42.5[t]/15[m] ~ 23[t]/25[m]
カント補正 105[mm]
アウトリガ 前後四ケ所

 

■ 走行性能

 

勾配 単車時 ワゴン車牽引時
水平線 40[km/h] 30[km/h]
35‰ 自走可能[-] -[km/h]

 

■最大被牽引速度
100[km/h]

 

参考文献
1) 猪狩信人「鉄道用クレーンの導入」,新線路,1996.6
2) 五味一男「操重車工事における分岐器交換作業」,新線路,2000.8
3) 大原朋之「新型鉄道クレーン車の導入」,新線路,2016.1
4) 伊藤忠建機 カタログ「分岐器,軌道,橋桁,敷設用 GS80.08T(JR)型 鉄道クレーン」