■概要
軌道モータカーにバラスト作業装置を取り付けて道床肩の成形及び道床バラストの整理を行う機械である。
平成7(1995)年より導入が進められJR九州では11台を保有している(2007年4月現在)。
■GR175導入以前
道床バラストは軌道狂いを防ぎ列車荷重を路盤に均一に伝えるなど重要な役割を重要な役割を持っているが人力による道床整理作業が必要になる。この大変な重労働作業を機械化すべく八代保線区では昭和62(1987)年4月頃から試行的にTMC100Cのバラストレギュレータを利用したバラスト整理作業を施工してきた。この実績を踏まえて平成7(1995)年3月に八代保線区に配備されたのが当形式GR175-1である。
■走行装置及び作業装置の主な機能
・一般走行装置
前運転席と主運転席の2つの運転席を備える。
・作業装置
作業機として横作業機と後作業機の2つを備える。
基本、マルチプルタイタンパ施工箇所の前作業として道床バラスト整理作業をこの2つの作業機で行う。
横作業機のチルトシリンダーによりのり面の仕上げ角度を調整することができる。
横作業機のウイングシリンダーによりのり面の仕上幅を調整することができる。
チェーンコンベアを駆動しバラスト尻のバラストをバラスト肩へとかき上げることができる。
後作業機の第1、第2ブレードにより軌間外マクラギ上面の整理及びバラスト肩を必要な余盛高に整理することができる。
■主要諸元
項目 | 寸法・形式 | |
1 | 車体重量 | 17.5[t] |
2 | 乗車人員 | 3[名] |
3 | 回送時主要寸法 | |
全長(かき上げ機を除く) | 7,910[mm] | |
全幅 | 2,900[mm] | |
全高 | 3,830[mm] | |
軌間 | 1,067[mm] | |
ホイールベース | 3,900[mm] | |
4 | 作業実績(7年度実績) | 280片[m/h] |
5 | 走行装置 | |
・エンジン | ||
名称 | コマツS6D125ディーゼルエンジン | |
定格出力 | 235[PS]/2100[rpm] | |
スタータ | 24[V] 7.5[kW] | |
オルタネータ | 24[V] 130[A] | |
バッテリー | 12[V] 15[Ah] ×2個 | |
・トルクコンバータ | コマツ3要素1段2相形 | |
・車輪 |
2軸式固定台車、全軸駆動 短絡絶縁スイッチ付き762[mm]×125[mm] |
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・ブレーキ | ||
主ブレーキ |
全車輪制動シューブレーキ エアー操作直通及び貫通ブレーキ |
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駐車ブレーキ |
終減速機入力軸駆動ディスクブレーキ エアー操作スプリング力作動 |
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6 | 運転装置 | |
・主運転席 | 走行運転用 | |
・前運転席 | 作業運転及び走行運転用 |
参考文献
1)『線路の保守作業・検査用機械』,新線路,第61巻4号,鉄道現業社,(2007.04)
2)馬場勇『バラスト作業装置付軌道モータカーによる道床整理』,新線路,第50巻6号,鉄道現業社,(1996.06)