道床交換機


■概要
TC(テクニカルセンターの略称)型省力化軌道を本格敷設するために東京省力化軌道工事区向けに砂利をかきだすための装置として小松製作所製バックホウをベースとした当型式が投入された。

ところが施工箇所のマクラギ下の道床が異常に硬いところでは掘削機が何度も止まったりチェーンが外れたりと当初は目標の20[m]には及ばない最大16[m]の施工に留まっていた1)

17[t]の掘削機の自重と軌框の荷重が道床に圧密することを避けるために施工箇所を軌框ごとジャッキで扛上するなど対策を行うことで平均16[m]程度の施工、1998(平成10)年12月より道床の固結箇所での掘削能力不足を補うためにダンプトロに油圧ユニットを搭載しパワーアップを図るなどの改良を加えて26[m](平均では23[m])まで施工延長を伸ばすことができた2)

しかしながらこれ以上施工延長を伸ばすことは困難で省力化軌道敷設を早めるために掘削能力が向上した機械を投入することとなりわずか5年足らずで後継の高性能道床掘削機が投入され引退した。

なお、タイトルの「道床交換機」は銘板情報が得られておらず正式なものではない(恐らく正式名称は別のものがあったと考えられる)。また、大井で撮影された投稿、また後継のMMJの投入台数から製造されたのは機械番号1001、1002、1003の3両であると考えられる。

脚注
1)1998(平成10)年5月と6月の10回の実績(文献2)表-1 敷設実績表)による。それによると最大16[m]最小4[m]平均11.7[m]の施工であった。
2)文献3) p.27。

参考文献
1)米山典雄『TC型省力化軌道の施工計画』,新線路,第52巻5号,鉄道現業社,(1998.05)
2)田中道利『省力化軌道(TC型)の効率的施工法』,新線路,第52巻10号,鉄道現業社,(1998.10)
3)谷口健一『山手線TC型省力化軌道の敷設について』,新線路,第53巻10号,鉄道現業社,(1999.10)