STB-15

■概要
本車はJR西日本において老朽化した高萩製15tホッパの置き換えを目的として開発された車両である。

■ホッパ構造
高萩製ホッパ車ではホッパ内部が山型で左右にバラストを振り分ける構造であったが、本車ではW型の構造とし、前後左右の計4ヶ所の投下口を個別で開閉可能としている。
これは高萩製ホッパ車で発生した片側だけバラストを卸した際に発生する輪重の左右不均衡を解決するためである。
また、散布機構についてもモータカーの油圧回路を使用した構造としており、4ヶ所の投下口はスイッチにより操作することができ、従来の手動による開閉から省力化がなされている。また開閉状況は表示ランプより確認可能である。


△開閉表示ランプ

シュート部については、0°(直下方向)、18°、33°、48°、57°の5段階を手動で調整可能であり、散布範囲の調整が可能となっている。また、このシュート部の機構は走行中も安全に角度変更が可能である。

なお、試作車ではホッパの高さが高く、バラスト積込の作業性やモータカーからの視認不足が課題としてあげられているが、量産型ではホッパ高さが低くなっていることが確認できる。


△試作車 出典:文献 1)


△量産型 ホッパの高さが低くなっている

■台車
本車の台車はJR西日本で広く採用されている15t鉄製トロで、部品の共通化や部分交換によりメンテナンス費用を抑えることが可能となっている。
もちろん本車の台車を15t鉄製トロとして使用可能かつ、通常の15t鉄製トロを本車の台車として使用可能である。なお、本車に付属する台車については、ホッパ側の製造番号に「-1」「-2」が付いた製造番号が振られる。

参考文献
1)今井啓貴『新型道床運搬車の開発』,新線路,68巻,12号,鉄道現業社,(2014.12)


STB-15A-N
JR西日本管内を中心に配備