MS0208


■概要
自走機能を持たない被牽引式レール探傷車。
2005年にJR北海道に導入された。

 

■導入
JR北海道ではスーパーレールチェッカー(SRC)と呼ばれる簡易レール探傷車を1995年から軌道自転車で牽引して、1997年からは分岐器除雪用のウニモグ軌陸車で牽引して2両体制で2004年までレール探傷を行っていたが、老朽化及び探触子のチャンネル増加によるレール傷検出能力の向上を目的に本型式が導入された。

 

■運用
既存の軌道モータカーを活用するため、探傷車の前後に軌道モータカーを連結して運用する。
なお、駆動は先頭側の軌道モータカーのみである
保守用車の運行は各保線管理室が行うが、検測機器の操作は岩見沢レールセンターの社員が行う。

△前後に軌道モータカー(ロータリー)を連結する 文献2)より

 

諸元

■ 寸法・重量

長さ 11,550[mm]
2,880[mm]
高さ 3,975[mm]
軌間 1,067[mm]
台車間距離 6,000[mm]
自重 32.0[t]

 

■レール探傷装置

探傷方式 超音波パルス反射法
探触子方式 水ギャップ法による摺動型探触子方式
探傷速度 40[km/h]
探傷可能最小半径 150[m]
水タンク容量 7,000[L]
△探触子配置

 

■その他装備
レール断面摩耗測定装置
凍結防止装置
60kVA発電機

 

■その後
2016年に自走式レール探傷車MS0238により置き換えられた。
本型式の欠点として元々積雪期には使用できないものであったが、牽引に使用する軌道モータカーの冬季前準備のため、レール探傷が未だ可能な時期であっても軌道モータカー都合で運用できなかった点が挙げられている。

 

参考文献
1)『JR北海道においてレール探傷車始動する』,新線路,59巻,5号,鉄道現業社,(2005.05)
2)平内亮『新型レール探傷車導入』,新線路,59巻,12号,鉄道現業社,(2005.12)
3)松浦 淳『新型レール探傷車(HI-RIC)の導入』,新線路,71巻,4号,鉄道現業社,(2017.4)
4)松山重車輌工業『レール探傷車 RIC MS0208型』
https://www.mjk21.co.jp/files/libs/583/202205161232355375.pdf(2023.10.08閲覧)