■概要
自走機能を持たない被牽引式レール探傷車。
2005年にJR北海道に導入された。
■導入
JR北海道ではスーパーレールチェッカー(SRC)と呼ばれる簡易レール探傷車を1995年から軌道自転車で牽引して、1997年からは分岐器除雪用のウニモグ軌陸車で牽引して2両体制で2004年までレール探傷を行っていたが、老朽化及び探触子のチャンネル増加によるレール傷検出能力の向上を目的に本型式が導入された。
■運用
既存の軌道モータカーを活用するため、探傷車の前後に軌道モータカーを連結して運用する。
なお、駆動は先頭側の軌道モータカーのみである
保守用車の運行は各保線管理室が行うが、検測機器の操作は岩見沢レールセンターの社員が行う。
諸元
■ 寸法・重量
長さ | 11,550[mm] |
幅 | 2,880[mm] |
高さ | 3,975[mm] |
軌間 | 1,067[mm] |
台車間距離 | 6,000[mm] |
自重 | 32.0[t] |
■レール探傷装置
探傷方式 | 超音波パルス反射法 |
探触子方式 | 水ギャップ法による摺動型探触子方式 |
探傷速度 | 40[km/h] |
探傷可能最小半径 | 150[m] |
水タンク容量 | 7,000[L] |
■その他装備
レール断面摩耗測定装置
凍結防止装置
60kVA発電機
■その後
2016年に自走式レール探傷車MS0238により置き換えられた。
本型式の欠点として元々積雪期には使用できないものであったが、牽引に使用する軌道モータカーの冬季前準備のため、レール探傷が未だ可能な時期であっても軌道モータカー都合で運用できなかった点が挙げられている。
参考文献
1)『JR北海道においてレール探傷車始動する』,新線路,59巻,5号,鉄道現業社,(2005.05)
2)平内亮『新型レール探傷車導入』,新線路,59巻,12号,鉄道現業社,(2005.12)
3)松浦 淳『新型レール探傷車(HI-RIC)の導入』,新線路,71巻,4号,鉄道現業社,(2017.4)
4)松山重車輌工業『レール探傷車 RIC MS0208型』
https://www.mjk21.co.jp/files/libs/583/202205161232355375.pdf
(2023.10.08閲覧)