20tディーゼル機関車

(写真:小林1964,p.18より)

 


本項では新潟鉄工所が東海道新幹線工事用に製造し、モータカー用途に使われた20t工事用ディーゼル機関車について解説する。

 

■概要

柚木西バラスト積込場で3000形貨車にバラストを積載中の本型式。静岡幹線工事局編(1965),p.750より

 

大井川西岸でのレール締結式に用いられた本型式。同じく東海道新幹線建設に用いられた日立製HRA-20Bとは、屋根形状やグリルなどが異なることが分かる。静岡幹線工事局編(1965),p.728より

 

本型式の背面。機番(DL-701)が見える
(写真:湯本1980,p.141より)

 

東海道新幹線の建設当時、基地から工事現場までの資材輸送には、軌道モータカー(TMC101A)のほか、より輸送力の大きいディーゼル機関車も用いられていた。このうち最も大型なものはDD13形機関車の改造機(2000形→912形)であったが、そのほかにも20t級のディーゼル機関車が計7両用意され、主に軌框の運搬やホッパ車(3000形→931形)の牽引に使用された。

この20t機のうち2両が、新潟鉄工所製の20t工事用ディーゼル機であった。正式な形式等は不明である。

東海道新幹線の完成・開業後は、同じく建設用である浜松工場製(1両)日立製作所製(4両)の20t機と共に、そのままモータカーとして保線作業に用いられた。

 

■諸元

走行速度 45[km/h]
機関 195[PS]
最大牽引力 150[t]
重量 20[t]

性能はおおむね日立製の20t機と揃えられている。

 

■文献

沖田 祐作『機関車表』,2014年,ネコ・パブリッシング.
小林 正宏「軌道工事用機械」『新線路』18巻10号,1964年,pp.17-23.
静岡幹線工事局編『東海道新幹線工事誌』,1965年,東京第二工事局.
日本国有鉄道新幹線総局編『新幹線十年史』,1975年,日本国有鉄道.
湯本 幸丸『写真解説保線用機械(改訂増補5版)』1980年,交友社.