■概要
レール運搬・溶接・交換を一編成で行うことができる新幹線レール交換システム(通称 REXS)編成には牽引するためモータカーが一両組み込まれている。
■動力装置
水冷製のエンジンを2基搭載しており最大走行速度及び最大牽引速度は70[km/h]、常時4軸駆動の油圧方式を採用している。
主要諸元は以下の通り。
■主要諸元
型式 | PCU |
全長 | 15,400[mm] |
全幅 | 2,940[mm] |
全高 | 4,100[mm] |
自重 | 46.96[t] |
エンジン | 4サイクルディーゼルエンジン×2基 |
エンジン形式 | DEUTZ水冷8気筒 TCD2015V8 |
エンジン出力 | 480[kW]/1,900[rpm] |
機関排気量 | 15.9[L] |
機関出力 | 480[kW]×2 |
なお、REXS編成としてはレール積卸車(40.65-RW-0001)及びフラッシュバット溶接車(APT1500R-A)にDEUTZ製水冷8気筒TCD2015V8(480[kW])を各1基搭載しておりモータカーのエンジントラブル発生時にも最低限の動力が確保されている。
■動力伝達機構
エンジンからの動力をディストリビューターギアボックスを介して可変ピストンポンプへ伝わり、そのポンプから全4軸に設置されているアクスルギアボックスと油圧モーターへ作動油が流れて動力が伝達される仕組みとなっている。
■制動装置
直通ブレーキにはプラッサー&トイラー式全8輪シューブレーキ方式のエアブレーキが採用されている。ブレーキ圧力は0.38[MPa]となっておりエアーシリンダーにより制動を行う。
留置ブレーキはハンドル操作による機械式ブレーキを採用し、前部ボギーの4輪に作用する。
貫通ブレーキは貫通ブレーキバルブ、貫通ブレーキレバー、緊急ブレーキレバー、停止コック及び接続ホースを備える。
安全ブレーキには運転者が離席すると警報ブレーキが鳴動し直通ブレーキが動作する『走行運転席センサー』及び『居眠り防止(デッドマン)装置』が装備されている。
■参考文献
1)萩尾泰弘『新幹線レール交換システムの概要及び各機械の走行装置並びに作業装置等の解説』,鉄道施設協会誌2018年9月号,日本鉄道施設協会(2018年9月)