MS0201


■概要
箱型車体に2軸の走り装置を備えた改軌対応超音波レール探傷車。
東京計器製の探傷装置を搭載しており、40[km/h]での探傷走行が可能である。

 

■複数線区対応
・改軌対応
複数の軌間を有する近畿鉄道で運用を行うため、輪軸と測定台車が改軌に対応している。
対応する軌間は1435[mm]及び1067[mm]である。

△改軌対応輪軸 写真は軌間1435mm時で、軌間1067mm時は内側のフランジに車輪を取り付ける

・アウトリガ
別の線区に移動する際に陸送用トレーラーへの積込が容易に行えるようアウトリガを装備している。

・遠隔操縦装置
複数の線区で柔軟に運用するために本形式は無動力となっており、モータカーに牽引されて運用される。
探傷車側でもモータカーの運転操作が行えるように遠隔操縦装置が搭載されている。

 

諸元

■ 寸法・重量

長さ 9,620[mm]
2,480[mm]
高さ 3,250[mm]
軌間 1,067[mm]
軌間 1,435[mm]
自重 22.0[t]

 

■レール探傷装置

探傷方式 超音波パルス反射法または透過法
探触子方式 水ギャップ法による摺動型探触子方式
探触子ブロック 複合探触子
探傷速度 40[km/h]
探傷可能最小半径 160[m]
探傷パルス密度 20[mm]/パルス
水タンク容量 4,000[L]


△探触子配置

 

△探傷ユニット

 

■その他装備
改軌対応輪軸
改軌対応測定台車
ハイアウトリガ
25kVA発電機

 

■システム更新
2003年に導入された本車両の車上システムは1994年に開発されたものであり、システムの陳腐化や機器のサポート終了などメンテナンス・故障時の対応などに懸念があった。
そこで、車上システムの更新と機能向上を行った。システム更新により追加された機能は下記の通りである。
・底部腐食量測定システム
・底面未検地区間帳票出力プログラム

 

■その他機器更新
車体に下記の機器の追加が確認されている。

△ホーム離れ測定装置

 

△軌道変位検測装置?

 

参考文献
1)松山重車輛工業 「レール探傷車 MS0201型」
http://www.mjk21.co.jp/seihin/pdf/sagyosha/CAT-MS201.pdf
(2019/06/08)
2)高田憲一・吉原稔郎『近畿日本鉄道におけるレール探傷車を利用したレール検査』,新線路,57巻,12号,鉄道現業社,(2003.12)
3)岸川隆『近鉄のレール探傷車』,新線路,59巻,1号,鉄道現業社,(2005.1)
4)谷昌城『近鉄における検測・探傷技術を応用した省人化・保安度向上への取組み』,新線路,71巻,3号,鉄道現業社,(2017.3)