写真:阪急のB 20 C-75
B 20はMATISA製のマルチプルタイタンパーである。
■概要
固定2軸車の小型機種で、B 45・B 50と同世代に当たる。日本には2台の輸入が確認されている。いずれもシリーズ中で最も小型なB 20-75であり、タンピングユニット横には騒音を25m先で70dBに制限する防音パネルを装備している1)。
(1)泉北高速鉄道のB 20 AC-75
A型タンピングユニット(よるきゅう氏提供)
1999年製の個体である。形式名の上では、外側タンピングツールの先端を90度跳ね上げて障害物を回避できるAC型タンピングユニットを搭載しているはずである。しかし本機は現在のところ、跳ね上げ機能の無いシンプルな1丁づき8頭式のA型タンピングユニットを装備している2)。ツール先端は重ね合わせ機能のない幅広式である。
(2)阪急電鉄のB 20 C-75
小型機種用C型タンピングユニットの横振り概念図
(これはB 38 Cの図であり、最大移動距離は本機と異なる可能性がある)
MATISA(2018),p.7より
2005年製の個体である。本機の装備する分岐器対応C型タンピングユニットは、B 45 UEなども採用している同じ横振り可能・ツール先端重ね合わせ可能なのものである。しかし小型機種(本機含む)のみ、1丁づき8頭式でレールの内外を交互につき固める仕様となっている3)。
マティサ B20C-75 マルチプルタイタンパー
(阪急電鉄 MTT-7)8丁突きコンビ型タンピングユニット(あってますか?)が横方向に移動し、レールの内外を搗き固めていきますが…
このタイプは初めて見たので、とても新鮮でした。#保守用車#マルチプルタイタンパー#マルタイ#マティサ#阪急保線 pic.twitter.com/TqjEJsYCN9— 夜跳ぶ広報室 (@train_nfpro) 2021年3月21日
B 20 C-75におけるC型タンピングユニット稼働の様子
(許可を得て掲載)
■諸元
諸元は以下の通り4)。
タイプ | AC-75(泉北) | C-75(阪急) | |
全長 | 13.05[m] | 12.68[m] | |
全幅 | 2.60[m] | 2.78[m] | |
全高 | 3.65[m] | 3.76[m] | |
自重 | 28[t] | 30[t] | |
作業能力 | 360[m/h] | 不明 | |
タンピングツール | 1丁づき8頭 (幅広) |
1丁づき8頭 (レール内外交互づき) |
|
ツール振動数 | 2700[rpm] | ||
エンジン | 190[kW]/2300[rpm] | 不明 | |
自走速度(回送時) | 50[km/h] | 不明 |
■脚注・文献
1)MATISA『Les bourreuses légères』2013年,MATISA.
2)泉北高速公開イベント時の説明に記載あり,本DB投稿写真より.
3)MATISA『マルチプルタイタンパー用装置』2018年,MATISA.
4)MATISA,前掲1.泉北高速公開イベント時の説明に記載あり,本DB投稿写真より.阪急電鉄公開イベント時の説明に記載あり,鉄の浪漫に魅せられて『阪急電鉄 秋の阪急レールウェイフェスティバル2022 #.4』http://railway.mynikki.jp/archives/17271591.html(2023/06/28取得).
■B 20 AC-75
■B 20 C-75