MCR-600

概要


新潟鐵工所・N-MCR-600の後継となる600馬力級モータカーロータリー。2007年頃から製造がはじまり、現在に至るまで製造が継続されている。

N-MCR-600からの変更点は、エンジンの変更と車輪径の拡大である。

エンジンについては、鉄道用にこそ規制はないものの環境対応のために排ガス規制のクリアが求められる世情を鑑み、建設機械の排出ガス規制のうち二次排ガス規制および三次排ガス規制をクリアできる系列のエンジンを採用した。

車輪径については、従来のMCR-4やN-MCR-600ではΦ660 mmとしていたが、分岐部における走行安定性に課題があることからΦ762 mmへ拡大している。

仕様の差異や納入先などにより形式名が細分化されており、以下のように分類される。

MCR-600A系


2007年に登場したMCR-600シリーズの基本形。
基本形のMCR-600A、段切り装置付きのMCR-600Bから構成される。氷柱落とし装置が装備されるとサフィックスとして”T”が付加される。

脱線復旧作業の安全性および作業性向上のためにアウトリガが装備されているが、軸重軽減のために転車台装置と横取り装置が省略されている。
機関室上面形状は、一貫して傾斜形状となっている。

おもにJR東日本の関連軌道会社、JR東海、第三セクター鉄道で広く見られる機種。

MCR-600A系の基本形。


段切り装置付き。


MCR-600Bの氷柱落とし装置付き。

MCR-600E系


MCR-600A系をベースとした転車台装置・横取り装置付き機種。その代わりにアウトリガは省略されている。
基本形のMCR-600E、段切り装置付きのMCR-600EBから構成される。

2014年2月の首都圏における豪雪への反省から、JR東日本管内にて従来モータカーロータリーが配備されていなかった首都圏近郊線区にもモータカーロータリーを配備するために導入された。2015年頃から首都圏近郊線区以外にも導入されている。
機関室上面形状は、2014年度導入車は水平となっているが、2015年度導入車以後は傾斜形状となっている。

おもにJR東日本の関連軌道会社、第三セクター鉄道で広く見られる機種。

MCR-600E系の基本形。


段切り装置付き。

MCR-601


MCR-600の標準軌向け機種。仕様の異なる2タイプを包括している。
製造番号6000番代の山形・秋田新幹線向けは、MCR-600A系に準じた仕様である。製造番号8000番代の東北・上越新幹線向けは、2014年2月の首都圏における豪雪への反省から導入されたものであり、MCR-600E系に準じた仕様である。

おもにJR東日本の関連軌道会社で見られる機種。

MCR600系


2014年頃から導入が進められているJR北海道向け機種。
在来線用のMCR600、北海道新幹線新在共用区間向けN-MCR600、北海道新幹線向けS-MCR601から構成される。

MCR-600E系と同じ特徴を持ち、転車台装置・横取り装置付き。更に機関室上面形状も、2014年度導入車は水平、それ以後の導入車以後は傾斜形状となっている。
ただし、ラッセル除雪装置が内地向けよりも後退した位置で取り付けられており、拡幅翼が車体横に掛かる位置にあることが外観の最大の特徴である。

在来線用。


北海道新幹線新在共用区間用。フランジャとアイスカッター装置が三線軌対応形状となっている。
2021年12月現在、2両配備されている。


北海道新幹線用。
2021年12月現在、6両配備されている。

MCR601


北陸新幹線の富山以西で用いられる機種。豪雪地である富山以東で用いられるMCR801の持つ特殊機能を取り除き、エンジン出力も600馬力に抑えるなど一般的なモータカーロータリー並みの性能となっている。

参考文献


1)井上浩, 『新形軌道モータカー(ロータリ除雪装置付)MCR-600A, B型』, 新線路, 62巻11号, 鉄道現業社, (2008.11)
2)佐々木純,『首都圏の雪害防止の取組み』, 新線路, 68巻11号, 鉄道現業社, (2014.11)
3)森正明, 『JR東日本における機械除雪』, 新線路, 69巻11号, 鉄道現業社, (2015.11)
4)青木輝之, 『北海道新幹線における冬期安定輸送への取組み』, 新線路, 71巻5号, 鉄道現業社, (2017.5)
5)工藤聖也, 『北海道新幹線オンレール除雪作業の課題とその対応』, 新線路, 73巻10号, 鉄道現業社, (2019.10)
6)JR東日本, 『新幹線および首都圏在来線における雪害に対する取り組みについて(2014年5月8日配信)』, https://www.jreast.co.jp/press/2014/20140504.pdf
7)JR北海道, 『JR北海道における冬季の取り組みについて(2021年12月3日配信)』, https://www.jrhokkaido.co.jp/CM/Info/press/pdf/211203_KO_Winter.pdf