07


06型マルタイの後継モデル。
昭和45年(1970年)から輸入された。
06型では車体前部に折り畳む構造であったレベリング装置(高低直し)の検測輪が運転室下部に設置されている。
これにより全長が長くなったため前後軸がボギー式台車となっている。

レベリング装置は当初、赤外線を用いた三点一直線方式だったが、制御がON-OFFのみのため扛上量の多少に順応して扛上スピードを変化させることができず、油圧回路の流量調整が適切でない場合にカントでの精度低下や過扛上が起きる欠点があった。
1974年からは扛上の油圧回路に流量調整のための制御バルブを組み込めるワイヤー式となった。

前部にも運転室が設けられているが、運転操作は後部運転室のみ可能である。

07-32SLCは1971年に国鉄が導入し、岡山~博多間建設とその後の定期修繕で使用された。

07-275は1979年に鉄道建設公団が導入し、上越新幹線建設工事に使用された。

ハイフン以降の記号の意味は以下に示す。

16:ラインマルタイ・タンピングツールが16本
32:ラインマルタイ・タンピングツールが32本
275:スイッチマルタイ・タンピングユニット2分割
SC(スーパーコントロール):レベリング付き
SLC(スーパーライニングコントロール):レベリング装置、ライニング装置付き
※SC型は06の改良型
SLC型はSC型の改良版

 

■ 寸法・重量

長さ 15,375[mm]
2,920[mm]
高さ 3,200[mm]
軸距 10,080[mm]
自重 35.9[t](07-16)
39.1[t](07-32)

 

■エンジン

KHD F10L-413(出力:180PS/1800rpm)

 

■ 作業性能

施工速度 300~350[m/h](07-16)
400~500[m/h](07-32)

 

■ 走行性能

回送速度 80[km/h]

 

参考文献

1)秋元清『輸入マルタイ―プラッサ社―』,新線路,25巻,7号,鉄道現業社,(1971.7)
2)村沢一雄『「プラッサ―」マルタイ あれこれ(1)』,新線路,34巻,4号,鉄道現業社,(1980.4)
3)杉下孝治『マルタイの変遷』,新線路,35巻,9号,鉄道現業社,(1981.9)
4)今井順一『新形マルタイの導入』,新線路,38巻,6号,鉄道現業社,(1984.9)
5)50年のあゆみ : 1967-2017 : 日本機械保線株式会社創立50年誌, 日本機械保線, 2017.3

 


■ 07-16

 

■ 07-32