73_軌陸高所作業車(ブーム式)


ブーム式高所作業装置つき軌陸トラック、即ちブーム式高所作業車に軌陸ユニットを装備したものを指す。
※軌陸トラックの解説については、Category:71 軌陸トラックを参照の事。

■高所作業車(ブーム式)について
Category:72 軌陸高所作業車にて解説した「垂直上昇式」高所作業車に対して、本項では「ブーム式」高所作業車を解説する。

ブーム式高所作業車とは、昇降装置がブームと呼称される格納可能なアームで構成されているものを指す。
ブームの展開方法により更に細かく分類できるが、一般的には格納ブームが直線的に伸びてゆく「伸縮ブーム式」が主流である。
ブーム操作により作業対象物のある空中まで車両の移動なしに直接アプローチでき、垂直上昇式に比べ作業自由度が高い事が特徴である。
道路用においては橋梁点検車として、高所のみならず橋梁点検等のため道路より下部に潜り込む形のブーム式も実用化されているほか、鉄道用においてもCategory:05土木作業車一部に同様のものが搭載されている。



構造は下記の通り
・軌陸ユニット/転車台…Category:71 軌陸トラックを参照の事。
・旋回台…ブームが接続されている旋回可能な台座の事。
・ブーム…旋回台に近い順に「第nブーム」と呼称され、ブームが伸びゆくことにより作業対象物までアプローチする。
・作業床…垂直上昇式と同様の作業床(プラットホーム)が装備されている例もあるが、ブーム式の場合、「バケット」と呼称されるFRP製で箱状の作業床が装備されている例が多い。なおプラットホームがバケット程度の大きさとなった籠状の作業床もあり、この場合は「バスケット」と呼称する。
・アウトリガ…垂直上昇式と異なりブーム式高所作業車には必ず装備されている。高所作業車の構造要件にてアウトリガ装備が義務付けられており、遵守しなければ車両登録(ナンバープレート交付)ができないからである。

参考文献
1)日本自動車車体工業会『働くクルマたち 第19回:
高所作業車』,車体NEWS,2017年冬号,一般社団法人日本自動車車体工業会(2017.12)


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