BC-3G


■概要
発電機を搭載した被牽引型のバラストスイーパーでJR西日本との共同開発モデルである。
旧型のBC-3A/BC-3Bと同じBC-3形の型式名ではあるがメインブラシの他に締結部ブラシを装備するほかメインブラシの回転数が可変となるなど大幅な変更が加えられている。

 

■開発のねらい
昭和50年代に導入されたマルタイ連結タイプ(BC-3B)は搗き固め後に散乱したバラストを回転ブラシでかき均す程度の性能で施工後も人手に頼らざるを得ない状況であった。当形式ではバラスト整理能力を向上させるとともにマルタイとの連携を向上させている。

具体的には以下の通り。

1.メインブラシ
回転ブラシをスパイラル配列としレール種別毎に適切な回転ブラシ高さを設定可能になっている。また、ブラシ回転数はBC-2時代より長らく130[rpm]固定であったが90~150[rpm]の間で可変となった。
また、既存モデルは回転ブラシで跳ね上げたバラストを斜板に当てて軌間外に排出する構造となっていたが当形式では新たにベルトコンベアを設置し斜板に当たったバラストを軌間外に運び出し排出するようになっている。

2.締結装置ブラシ
締結装置ブラシを新たに設置している。傾斜角度は当初30[°]であったがレール底部傾斜部にブラシが当たるように20[°]に変更となった。

3.マルタイとの連携
マルタイの運転席に遠隔操作盤を設置しスイーパのセットオフセットをマルタイ側から操作できるようにしている。

△BC-3Gの操作パネル。マルタイ/スイーパの操作切替スイッチが見える。

またスイーパー後部にCCDカメラを設置しマルタイの後部運転台のモニターに映像を映し出すことで推進運転時に運転者が進行方向を視認できるようになり安全性が向上した。

以上のように非常に意欲的なモデルではあったが、後継のBC-3G-2ではマルタイとの連携機能が省略されるなど標準仕様とはならなかったようである。

 

■主要性能(車両に貼付の主要性能表による)

項目 性能
回送時最高速度 45[km/h](被牽引時)
通過可能最小半径 100[m]
通過可能最大カント 105[mm]
作業能力 作業可能最大カント 105[mm]
スイーパー作業速度 0.5~1[km/h]
ブラシ回転数 約90~150[rpm]
バラスト整理幅 2,100[mm]
質量 6[t]

参考文献
中野昌平・片山吉信・西海絢司『新たなバラストスイーパの開発』,新線路,第64巻3号,鉄道現業社,(2010.03)