概要
HTR600Rシリーズの狭軌仕様であり、もっとも一般的な機種である。
HST駆動方式により速度制御が可能である。
この名を名乗る最初の車両は、2000年に登場したJR北海道DBR600形である。当時、JR北海道向けの当形式は「N-MCR600D」や「N-MCR600」の形式名を名乗っていたが、車籍を有するDBR600形はそのままメーカ呼称である「HTR600R」が製造銘板に刻まれた。
JR西日本向けや仙建工業向けの車両がこの名を名乗って登場したほか、JR北海道向けの車籍を有さない車両についても2002年頃からこの名を名乗る。
当初、段切り装置を有する機種についてはメーカ呼称として「HTR600RD」が与えられていたようであるが、その後に登場した先端がショベルのような形状をした簡易段切り装置を有する機種については呼称を変えずに当形式の仲間に入れているようである。
△K6040号車の簡易段切り装置
HTR400Rと同様に2010年頃からJR北海道向けに製造された個体についてはラッセル除雪装置が後退し、ウィングが台枠両脇に抱え込まれた形状に変更されている。
諸元
■ 寸法・重量
長さ(冬姿) | 14,970 mm |
長さ(夏姿) | 8,400 mm |
幅 | 2,750 mm |
高さ | 4,000 mm |
軌間 | 1,435 mm |
軸距 | 4,550 mm |
■ エンジン
エンジン名称(現行機種) | キャタピラー C18 ACERT |
エンジン出力 | 446 kW(606 PS)/1,800 rpm |
■ 牽引性能(えちぜん鉄道向け)
勾配 | 牽引重量 | 単車 | 牽引時 |
水平線 | 200 t | 55 km/h | 40 km/h |
10 ‰ | 80 t | 55 km/h | 35 km/h |
25 ‰ | 35 t | 50 km/h | 20 km/h |
■ 牽引性能(JR北海道向け最新機種)
勾配 | 牽引重量 | 単車 | 牽引時 |
水平線 | 290 t | 58 km/h | 58 km/h |
10 ‰ | 110 t | 58 km/h | 44 km/h |
25 ‰ | 80 t | 58 km/h | 27 km/h |
■ 牽引性能(仙建工業向け)
勾配 | 牽引重量 | 単車 | 牽引時 |
水平線 | 200 t | 55 km/h | 40 km/h |
10 ‰ | 80 t | 55 km/h | 35 km/h |
25 ‰ | 35 t | 50 km/h | 20 km/h |
■ 牽引性能(JR北海道当初・JR西日本向け)
勾配 | 牽引重量 | 単車 | 重量牽引時 |
水平線 | 290 t | 58 km/h | 55 km/h |
10 ‰ | 110 t | 57 km/h | 33 km/h |
25 ‰ | 80 t | 56 km/h | 21 km/h |
■ 排雪性能
最大除雪量 | 3,300 t/h |
最大除雪幅 | 5,200 mm |
参考文献
1)株式会社NICHIJO, 『HTR600RS』, https://www.nichijo.jp/wordpress-dir/wp-content/uploads/2021/03/HTR600RS%EF%BC%88KH1230GW2%EF%BC%89.pdf
2)株式会社日本除雪機製作所 社史編纂委員会, 『じょせつき : 創立50周年記念社史』, 日本除雪機製作所, 2012年