■概要
エンジン付き軌道自転車の代名詞的な存在と言えるATカート。
形式は車体に貼ってあるステッカーで判別できる。形式の読み方は以下の通り。

なお、他社製品、他の保守用車のような銘板は車体には確認できておらず製造番号を窺い知ることができるものはない。
メインシリーズとして、軌間、乗員数、前後進機能の有無、前輪駆動か4輪駆動の違いの12型式が存在する。また外見上風防があるタイプとないタイプが確認されている。
また、派生仕様として分割式ATカートや軽量仕様が存在する。
■主要諸元(ATカート)
・AT-N~(狭軌用)
形式 | AT-N2 | AT-N4 | AT-N2H | AT-N4H | AT-N2H4W | AT-N4H4W | |
軌間[mm] | 1067 | ||||||
乗員[名] | 2 | 4 | 2 | 4 | 2 | 4 | |
車体寸法[mm] | 長さ | 1,500 | 1,700 | 1,500 | 1,700 | 1,500 | 1,700 |
幅 | 1,240 | ||||||
高さ | 650 | 820 | 650 | 820 | 650 | 820 | |
重量[kg] | 68 | 85 | 90 | 103 | 96 | 109 | |
運転操作 | アクセルレバー方式 | コントロールレバー方式 | |||||
ブレーキ構造 | フットブレーキ2軸4輪キャリパー式(安全ロック付) | ||||||
走行性能[km/h] | 10[‰] | 30 | 20 | ||||
25[‰] | 25 | 15 | |||||
35[‰] | 5 |
・AT-S~ (標準軌用)
形式 | AT-S2 | AT-S4 | AT-S2H | AT-S4H | AT-S2H4W | AT-S4H4W | |
軌間[mm] | 1435 | ||||||
乗員[名] | 2 | 4 | 2 | 4 | 2 | 4 | |
車体寸法[mm] | 長さ | 1,500 | 1,700 | 1,500 | 1,700 | 1,500 | 1,700 |
幅 | 1,610 | ||||||
高さ | 650 | 770 | 650 | 770 | 650 | 770 | |
重量[kg] | 79 | 92 | 95 | 108 | 101 | 114 | |
運転操作 | アクセルレバー方式 | コントロールレバー方式 | |||||
ブレーキ構造 | フットブレーキ2軸4輪キャリパー式(安全ロック付) | ||||||
走行性能[km/h] | 10[‰] | 30 | 26 | ||||
25[‰] | 25 | 20 | |||||
35[‰] | 5 |
■派生仕様
・AT-N4HD/AT-S4HD (分割式ATカート)
駆動ユニット(車体)、動力ユニット(エンジン部)、付帯ユニット(座席)の3分割できる仕様。型式の最後がDで、狭軌仕様と標準軌仕様の2仕様がある。2名での組立、分解が可能である。組立、分割については工具不要で2分で作業可能である。
本車の特許では共同出願者として株式会社レールテックと東進産業株式会社が確認されている。

・AT-N2S/AT-S2S (軽々君)
総重量53㎏と風防無しATカートより-20kg軽量の軌道自転車。型式の最後がSで、狭軌仕様と標準軌仕様の2仕様がある。軽量二人乗り限定、牽引不可とし、フレームとエンジンが見直されている。
JR東日本の盛岡保線技術センターと共同開発品である。現在、JR東日本、JR西日本、JR北海道での導入が確認されている。

参考文献
1)伊岳商事『ATカート』
https://www.itake.co.jp/img/mtij/2013pdf/1-12.pdf
(2023.08.07)
2)保線機器整備『PRODUCT CATALOG』,(2021)
3)株式会社レールテック・東進産業株式会社・保線機器整備株式会社, 特開2014-213769「軌道自動自転車」
■ATカート
AT-N2
AT-N2H
AT-N4H
AT-N4H2
AT-N2H4W
AT-N4H4W
AT-N4H4W-2
AT-S2
AT-S4H4W
■分割式ATカート
AT-N4HD
■軽量カート 軽々君
AT-N2S
AT-S2S
型式不明